非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)⑭贈与税の納税猶予 年次報告書及び継続届出書の提出期限

こんにちは。

 

名古屋市中区金山の笘原拓人税理士事務所の税理士の笘原です。

 

2018年4月1日から施行されている、大きく改正をされた非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)について、国税庁のパンフレットよりも一歩踏み込んだ解説や注意点、実務の落とし穴などについて解説をしていきたいと思います。

 

前回までに、「非上場株式等についての贈与税の納税猶予・免除」の適用を受けるまでの手続きや書類について、複数回にわたり解説してきました。

 

ここからは、納税猶予の適用を受けたの手続きについて、ご説明いたします。

 

まず、適用を受け続けるためにしなければならない手続きと、免除を受けるための手続きがありますが、今回は、適用を受け続けるためにしなければならない手続きについて解説していきます。

 

各都道府県庁に、適用を受けた認定について取消事由に該当しない旨の“年次報告”を行う必要があります。

この年次報告書は、贈与税の申告期限の翌日から5年間、毎年、各都道府県庁へ提出する必要があります。

この5年間を「事業承継期間」、税法では「経営贈与承継期間」といいます。

 

各都道府県庁への年次報告書の提出期限は、“贈与税の申告期限の翌日から1年を経過するごとの日の翌日から3ヶ月を経過する日まで”とあります。

具体的には、申告期限である3月15日の翌日から1年を経過するごとの日の翌日(翌年3月16日)から3ヶ月を経過する日、つまり翌年の6月15日までということです。

「事業承継期間」である5年間は、毎年6月15日までに、各都道府県庁へ年次報告書を提出する必要があります。

 

年次報告書を提出期限までに提出し、取消事由に該当しないことが確認された場合には、各都道府県知事の確認書が交付されます。

 

ここまでは、各都道府県庁への手続きです。年次報告書の記載事項や添付書類については、次回以降で解説していきます。

 

年次報告書の提出をし、確認書の交付を受けた後は、税務署へ継続届出書を提出する必要があります。

税務署への届出期限は、“贈与税の申告期限の翌日から1年を経過するごとの日の翌日から5ヶ月を経過する日まで”とあります。

つまり、3月15日の翌日から1年を経過するごとの日の翌日(翌年3月16日)から5ヶ月を経過する日ですので、翌年の8月15日までということです。

「経営贈与承継期間」である5年間は、毎年8月15日までに、税務署へ継続届出書を提出する必要があります。

 

なお、5年を経過した後は毎年ではなく、3年ごとに継続届出書を提出します。

 

今回は、贈与税の納税猶予の適用を受けたに行う手続きとして、年次報告書と継続届出書の提出先、提出・届出期限について解説しました。

 

次回からは、年次報告書、継続届出書の具体的な記載事項や添付書類などについて解説していきます。

⇒年次報告書(様式11)の記載事項についてはこちらの記事で解説しています。

 

贈与税の納税猶予制度についてご不明なことがありましたら、お気軽に名古屋市中区金山の笘原拓人税理士事務所までお問い合わせください。初回相談は無料で承ります。

 

執筆者 税理士 笘原拓人

非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)⑬これまでの流れと税務署への申告

こんにちは。

 

名古屋市中区金山の笘原拓人税理士事務所の税理士の笘原です。

 

2018年4月1日から施行されている、大きく改正をされた非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)について、国税庁のパンフレットよりも一歩踏み込んだ解説や注意点、実務の落とし穴などについて解説をしていきたいと思います。

 

前回まで「特例贈与認定中小企業者に係る認定申請書」の添付書類について解説してきました。

 

ここまでの流れを確認すると、次のようになります。

①特例承継計画の作成

②先代経営者から後継者へ株式を⼀括贈与

③本社が所在する都道府県庁へ認定申請書を提出

 

③は、贈与の年の10月15日~翌年1月15日までの間に、特例承継計画を添付して申請する必要があります。

なお、①の特例承継計画を提出することができるのは、2023年(令和5年)3月31日までです。それまでは、①と③は同時に提出しても構いません。

2023年(令和5年)4月1日以降に③を提出する場合には、2023年(令和5年)3月31日以前に特例承継計画を提出し、認定申請書に特例承継計画の確認書を添付する必要があります。

 

次の手続きとして忘れてはならないのが、

④贈与税の申告

です。

贈与を受けた年の翌年2月1日から3⽉15⽇までに、受贈者(後継者)の住所地の所轄の税務署へ贈与税の申告書を提出する必要があります。

このとき、都道府県知事の認定書のほか、株主名簿や定款の写しなどの提出が必要になります。

また、納税が猶予される贈与税額及び利⼦税の額に⾒合う担保を、税務署に提供する必要があります。

担保は、この制度の適用を受ける非上場株式等の全てを担保として提供することができます。

不動産や国債などを担保とすることもできますが、時価が下落した場合には担保の追加提供を求められます。その点、この制度の適用を受ける株式の全てを担保とする場合には、追加提供を要求されません。

 

贈与税の申告書の提出の際には、「(特例)株式等納税猶予税額の計算書(贈与税)」を作成し提出します。暦年課税か相続時精算課税かによって、作成する計算書が異なります。また一般措置と特例措置で書式が異なります。

③の認定申請書に記載した内容のほか、円滑化法の認定の状況について記載します。認定年月日及び認定番号を記載する必要がありますので、贈与税の申告書を作成提出するまでに認定書の交付を受けている必要があります。

また、計算書には、納税猶予額の計算についても記載する必要があります。

暦年課税の場合、申告にあたっては、この制度の適用を受ける非上場株式等のほか、現金などの贈与や先代経営者以外からの贈与についても一緒に計算します。

しかし、この制度の適用を受ける非上場株式等に係る贈与税額分については、要件を満たしている限り、納税は猶予されます。

 

なお、相続時精算課税の場合には暦年課税とは申告書も計算書も異なり、納付税額や納税猶予税額も異なります。

 

贈与税の納税猶予の申告についてご不明なことがありましたら、お気軽に名古屋市中区金山の笘原拓人税理士事務所までお問い合わせください。初回相談は無料で承ります。

 

執筆者 税理士 笘原拓人

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