有限会社の相続財産は株式が対象

有限会社の相続は有限会社設立時の出資持分が相続の対象になります。

 

会社所有の不動産や設備などの財産はあくまで有限会社の株式を通じて相続することになります。 有限会社を相続する際の手順としては、まず現時点での有限会社の価値を評価し、出資持分の株式評価額がいくらなのかを検討しなければなりません。

 

相続財産とは、相続できる財産のことです。ある人が亡くなると(亡くなった人のことを被相続人といいます)、被相続人が所有していた財産や権利、財産的な地位が相続の対象となります。

 

被相続人が有限会社を経営していた場合、有限会社の株式が相続の対象になりますが、有限会社そのものや、経営権、有限会社が所有する不動産や設備などの財産が相続の対象となるわけではありません。

 

 

 

被相続人の出資持分(株式)を相続可能

 

被相続人は、相続人の出資持分である株式が相続可能です。

 

相続とは、被相続人の財産や権利、身分関係について相続人が受け継ぐことをいいます。

 

ただし、相続できる財産には決まりがあり、有限会社の場合で相続の対象となるのは、有限会社の株式となり、有限会社そのものを相続できるわけではありません。

 

有限会社は、法人といって、法律によって人と同じように権利義務関係の主体となることができる組織です。ですので、法人と人とは別の存在として考える必要があります。

 

法人と人とは別の存在になりますので、有限会社の経営者が亡くなったとしても、有限会社自体はそのまま存続します。

 

また、経営権は有限会社内で交代する必要があるものであり、相続の対象とはなりません。

 

たとえば、父親が有限会社を経営していたとして亡くなった場合、経営権が相続により自動的に子どもに引き継がれるというわけではありませんし、有限会社そのものが子どもの所有物となるわけではありません。

 

相続として子どもが受け取ることができるのは、父親が所有していた有限会社の株式です。

 

父親が経営していた有限会社の経営をそのまま子どもが引き継ぎたいと思うのなら、一定の手続きを経る必要があるのです。

 

有限会社の出資持分は株式会社の株式とみなす

 

会社法の施行以降、有限会社の出資持分は株式とみなされることになりました。

 

平成18年5月1日に新たに会社法が施行されたことにより、有限会社法が廃止され、新たに有限会社を設立することはできなくなり、現在存在する有限会社はすべて「特例有限会社」となります。

 

「特例有限会社」は、法律上「有限会社」と名乗ることになっていますが、組織としては「株式会社」と同じ形になります。

 

会社法の施行により、有限会社の社員は株主に、持分は株式に、出資一口は一株とみなされることになりました。ですので、特例有限会社の社員持分とは、株主として株式を保有していることと同じになるのです。

 

相続の対象も特例有限会社の株式が対象となります。

 

経営権を得るには社員総会で選任してもらう必要がある

 

相続人が会社の経営権を得るためには、社員総会で選任を得なければなりません。

 

有限会社を経営していた被相続人が亡くなった場合、被相続人が所有していた有限会社の株式は相続の対象となりますが、経営権は相続の対象とはなりません。

 

法人は、所有者と経営権を別に考える組織だからです。

 

父親が経営していた有限会社を子どもが経営もそのまま引き継ぎたいと思った場合、経営権を得る手続きをする必要があります。

 

経営権を得るためには定款に記載されている手法に従う必要があり、社員総会(株主総会)で選任してもらうことになります。

 

もし、父親が有限会社の経営者で出資持分が100%だった場合、特例有限会社でも100%株主となりますので、社員総会(株主総会)で問題なく経営者として選任することができるでしょう。

 

ただし、相続財産は相続人全員で合意する必要があります。相続人が複数いる場合、株式を誰が何%保有するかによって状況は変わってきますので注意が必要です。

 

また被相続人以外にも有限会社の株式を保有する人がいる場合もありますので、まずは出資持分者が誰なのか、株主全員について確認する必要があります。

 

会社名義の不動産や設備などは会社所有の財産として扱う

 

有限会社が保有する不動産や設備、預金などの財産は有限会社の所有物です。有限会社が所有する財産はあくまで有限会社の株式を通じて相続することになります。

 

経営者である被相続人が亡くなったとしても、有限会社自体は存続していますし、経営も継続されています。

 

有限会社自身の名義で所有している財産は、有限会社が自身の経営をするために必要な出資物ですので、相続人といえども勝手に処分することはできません。

 

会社名義の財産は、会社の所有財産として扱い、処分する必要がある場合でも、経営権を引き継ぐなどして適正な手続きを経た上でする必要があります。