配偶者居住権について その1

1.配偶者居住権とは

 

配偶者居住権とは、夫婦のどちらかが亡くなった場合に、残された配偶者が亡くなるまで又は一定の期間、亡くなった人が所有していた建物に無償で住むことができる権利です。

 

2.配偶者居住権が新設された経緯

 

配偶者居住権は、令和2年4月1日以降に発生した相続から新たに認められた権利になりますが、なぜこのような制度ができたのでしょうか?

 

もともと、嫡出子(婚姻している男女の子)と非嫡出子(婚姻していない男女の子)の相続割合は異なっていて、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1でした。しかし、2013年9月4日の最高裁で、この民法の規定は憲法違反であるという判決が出て民法が改正され、今では「嫡出子と非嫡出子の相続割合は同じ」となりました。

 

この改正により、非嫡出子の相続分が増えたことで、結果として配偶者の相続分が減り、今まで住んでいた自宅を追い出されたり、生活資金を奪われるケースが増えてきたのです。

 

そこで、残された配偶者を守るために生まれたのが、配偶者居住権です。

 

3.配偶者居住権の成立要件

 

配偶者居住権が成立するためには、以下①~③の要件をすべて満たす必要があります。

 

  1. 配偶者が、亡くなった人が所有していた建物に亡くなった時に住んでいたこと
  2. 遺産分割、遺贈、死因贈与、家庭裁判所の審判のいずれかにより配偶者居住権を取得したこと
  3. 亡くなった人が、亡くなった時に建物を配偶者以外の人と共有していないこと

 

4.配偶者居住権の存続期間

 

配偶者居住権は一度設定したら永遠に存続するというわけではありません。存続期間は、遺産分割協議や遺言で決めることになります。

 

実務上は、配偶者が亡くなるまで(終身)に設定することが多いと思います。

 

5.建物の費用の負担

 

配偶者居住権が設定されている建物については、通常の必要費(固定資産税や通常の修繕費)は所有者ではなく、配偶者が負担する必要があります。

 

6.建物が滅失した場合の配偶者居住権

 

建物が地震で全壊してしまったなど、建物全体を使うことができなくなった場合は、配偶者居住権は消滅します。

 

配偶者居住権の具体的な評価方法や、よくある質問につきましては、次回以降でご説明します。

 

私たちは配偶者の生活を守る、そして、実は相続税の節税にも非常に効果的である、配偶者居住権を積極的に提案しています。

配偶者居住権を設定する相続税申告をしたい方、配偶者居住権を公正証書遺言に記載したい方は、ぜひ、笘原拓人税理士事務所までご相談ください。

 

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笘原拓人税理士事務所では新型コロナウイルス感染症防止対策を徹底しています

笘原拓人税理士事務所では、次の6種類の取り組みを通じて、お客様が新型コロナウイルス感染症に罹るリスクを最小限に抑えています。事務所の消毒や換気の徹底、仕切りパネルの設置や駐車場代の補助など、様々な観点から感染リスクを抑え、お打ち合わせに集中していただける環境を整備しています。直接お会いしてご相談したいというお客様につきましても、安心して来社ください。

01

スタッフのマスク着用

02

換気の徹底

03

面談終了後の消毒

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05

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06

除菌対策の徹底

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相続税専任のスタッフが、お客様の問題解決に向けて責任を持って対応させていただきます。

 
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  • * 遺言・贈与・家族信託・財産の組換えなど生前の相続・相続税対策
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  • * 成年後見・保佐・補助の手続き、後見人・財産管理などの受託など、高齢者の方の財産の保全管理

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お客様満足度98%!
報告・連絡・相談、丁寧な説明など「対応力」に自信あり! 最も基本である報告・連絡・相談を密に行い、ご依頼者様の不安を軽減し、安心してお過ごしいただける対応を心がけております。

 
未分割にしません!
当事務所では、未分割になるケースが一度もありません。 しかし、一般的な税理士事務所では、期限ギリギリになってしまい未分割で申告しなければならないことがあります。また、未分割を回避するために妥協して、考える時間もなく遺産分割を完了させ、申告しなければならないケースもあります。

そうなると、代表的な特例である「配偶者の税額軽減の特例」「小規模宅地等の評価減の特例」が適用できなくなります。(申告期限から3年以内に分割されれば、適用することができますが、手間もコストも余分にかかってしまいます)

 
品質保証10年!
相続税申告書は税務署に提出して終了ではなく、提出から5年の間であれば税務署から誤りを指摘されたり、税務調査が入る可能性があります。

当事務所では、税務署との見解の相違等により仮に相続税申告後に修正申告が必要になった場合や、追加で財産が発見された場合等も、責任をもってしっかりと対応させていただきます。

また相続税の申告期限から5年を経過した後も、お客様の申告データや情報を厳格なセキュリティ管理のもとで管理。万が一お客様が申告書原本を紛失したり、内容面について問合せやご相談がある際に迅速に対応できる体制を構築しています。

相続税申告の品質保証を10年にわたってお約束できるのも、作成する相続税申告書の品質面と業務体制に自信があるからです。


≪ 情報管理の徹底(マイナンバー対応)≫

平成28年に相続を開始した分から、税務署に提出する相続税申告書には被相続人と相続人のマイナンバーの記載が必要になりました。

当事務所ではお客様のマイナンバーについて、厳重に取り扱う方針を定めています。 また、お客様の個人情報や財産情報についても、東証1部上場企業のミロク情報サービスの定める基準に基づいた管理方法を全て実施し、徹底管理をしております。 個人情報保護法及び税理士法38条、54条の守秘義務に基づき、第三者に漏らすことはございませんので、安心してご相談ください。

 
プライバシー保護、完全個室、コロナ対策も万全なので安心!
空気清浄機、入口でのアルコール消毒の徹底、マスク着用、定期的な換気を実施しております。また、1時間ごとに1組の予約をお取りしていますので、他の方と予約が重なることはありません。

愛知県限定で出張相談もいたします。訪問の際には会社名がわからない車でお伺いいたしますので、ご安心ください。

 
明朗会計!
規定の料金設定に基づいてクライアント様の料金を算出します。
よくあるオプション料金などが追加され、「予想以上の料金がかかってしまった」なんてことはありませんので、安心してご相談ください。

 

料金

相続税の申告に関して
シンプルでわかりやすい報酬体系にするため、
笘原拓人税理士事務所は、
土地0.9%(評価額に対して)、
土地以外は0.5%をいただいています。

土地の相続財産が2億円を超える場合は、別途お見積もり致します。

一般的な税理士事務所では相続財産の1%という設定が多いなかで、
当事務所は追加料金をいただかない明朗会計を徹底しています。

資産額/資産種類 建物(×0.5%) 金融資産(×0.5%) 土地(×0.9%) 申告報酬
4,000万円 3,000万円 1,000万円 0万円 22万円
4,000万円 2,000万円 2,000万円 0万円 22万円
4,000万円 2,000万円 1,000万円 1,000万円 26.4万円
4,000万円 1,000万円 1,500万円 1,500万円 28.6万円
5,000万円 2,000万円 3,000万円 0万円 27.5万円
5,000万円 2,000万円 0万円 3,000万円 40.7万円
5,000万円 2,000万円 1,500万円 1,500万円 34.1万円
7,000万円 0万円 0万円 7,000万円 69.3万円
7,000万円 0万円 4,000万円 3,000万円 51.7万円
7,000万円 0万円 7,000万円 0万円 38.5万円
9,000万円 0万円 0万円 9,000万円 89.1万円
9,000万円 0万円 4,000万円 5,000万円 71.5万円
1億円 6,000万円 0万円 4,000万円 72.6万円
1億円 4,000万円 6,000万円 0万円 55万円
1億円 4,000万円 4,000万円 2,000万円 63.8万円
1.3億円 7,500万円 0万円 5,500万円 95.7万円
1.3億円 5,500万円 7,500万円 0万円 72.5万円
1.5億円 8,000万円 0万円 7,000万円 113万円
1.7億円 1億円 7,000万円 0万円 93.5万円
2億円 1.2億円 8,000万円 0万円 110万円
2億円 6,500万円 6,000万円 7,500万円 143万円

当事務所で実際に相続税対策をご依頼いただいたお客様の声

鈴木昭彦様 50代男性

母の時は笘原さんにお願いして
良かったと本当に思いました。

スムーズに進めていただき、経過報告もしっかりとしていただき、随時連絡を取り合って疑問点も丁寧に教えてくださいます。

岡崎市 60代男性

笘原拓人事務所の対応力は本当に
素晴らしいと思います。
スムーズに決着できたのは
笘原さんのおかげです。

当たり前ですが、しっかりと一生懸命やってもらえましたし、丁寧に教えていただけました。今後も何か不安に思うことやお願いしたいことがあれば、すぐに相談に行こうと思っています。

刈谷市 50代男性

私は職業柄たくさんの税理士を
知っていますが、真っ先に
笘原さんをおすすめしたいです。

以前一度お会いした時から「この人にお願いしい」と思っていました。

代表者挨拶

私たちが相続税の申告業務で最も大切にしていることは、円滑に相続を完了させることです。
そのために、最も重視していることはスピードです。
スピードは次のような成果をもたらします。
相続税額や遺産分割が未完了である不安な時間が短くなる。
誤った知識による外部からの混乱が入る可能性が減る。
遺産を早く相続人のもとへ届け、遺産を早期に使用することができる。
会社の代表者であったり、アパート経営者であったり、金融機関からの借入金のある方は、遺産の分割や債務の確定など、金融機関を早期に安心させることができる。
何かあったときに備え、相続税の申告納税の期限まで、対応する時間的な余裕を持つことができる。
などなど。 スピードは良いことしか生みません。
また、弊社はスピードを重視しながらも、税法上の特例や節税モレ、財産を誤って高く評価してしまう、または逆に財産を漏らしてしまうなどがないように、品質を担保することができる強みがあります。

一緒にお仕事をさせていただいている他士業の先生方からもコメントを頂いております

司法書士こんどう事務所 代表 近藤正先生

笘原さんはお客様に対するサービス精神がとても高く、税理士ではあまりいないタイプです。

士業の方はいわゆる職人タイプが多いのですが、笘原さんはお客様に対するサービス精神も高く、例えば、料金についても必ず事前に丁寧でわかりやすい説明があります。フットワークも軽く、税理士ではあまりいないタイプだと思います。

行政書士しらとり法務事務所代表 白鳥俊介先生

私のお客様を何人も
ご紹介をしましたが、
いつも感謝の言葉をいただき、
紹介したこちらも鼻高々になります。

お客様の目線で、常に最善の提案をしてくれる笘原拓人税理士事務所は本当に任せて安心です!!

不動産鑑定士 笠野寿治様

不動産物件の価値判断において、私の職分まで危うくなるほどの素晴らしい判断力をお持ちです。

的確な判断ができる方ですので、相続財産など資産の評価に関しては数ある税理士さんがいる中、ご相談をされるなら笘原さんを選ばれて間違いないでしょう。

よくあるご質問

出張相談は対応しているのでしょうか?

 

A,はい、当事務所には大府市在住のスタッフが在籍しておりますので、ご自宅に直接お伺いすることも可能です。また、ご自宅で面談が困難な方でも、提携している豊田市にあるこんどう司法書士事務所のオフィスにて面談することも可能です。

 

名古屋方面まで伺うのは感染リスクもあり少し不安です。オンラインでも相談可能ですか?

A,はい、もちろんオンライン面談にも対応しております。問合せ時にその旨お伝えくだされば、オンライン面談もさせていただきますのでご安心ください。

 

→その他のよくある質問をもっと見る

無料相談の対応について

当事務所では、無料相談の対応について以下の4つの方法からお選びいただいております。
ご希望の相談方法もお問い合わせ時にお伝えくださいませ。

 

  • 相談者様のご自宅への出張面談
  • 金山駅すぐの当事務所での面談
  • オンライン(zoom)での面談
  • 弊社提携パートナーである豊田市の事務所での面談 

 

と4つの方法をお選びいただけます。
お問い合わせ時にご希望の相談方法をお知らせください。

 

→相続税申告ご依頼までの流れ

初めての方向けによくある質問、ご依頼までの流れを記載していますのでご覧ください

タンス預金は違法なのか?時効や隠し方、対処法

1.タンス預金とは

 

タンス預金とはあくまで俗称で、タンスだけではなく、自宅に保管してある現金預金をいいます。日本銀行の発表によると、日本全国のタンス預金はなんと100兆円を超しているとのことです。

 

どれだけ時代が進んでも、現金を手許に保管しておきたいという人はまだまだ多いことがこのことからもわかります。

 

2.相続税申告においてタンス預金の何が問題か

 

相続税申告においてタンス預金の何が問題になるのかといえば、タンス預金の計上漏れが考えられる点です。

 

どういうことか具体例を挙げてみましょう。


被相続人(お亡くなりになった人)が12月31日にお亡くなりになったとします。

 

その時点で被相続人の預金残高が1000万円だったとします。しかし、被相続人の通帳を過去数年分、確認しているとある時は300万円、ある時は500万円、と合計で3000万円引き出されていたとします。


この時、税務調査官は「この3000万円はタンス預金として自宅に保管されているのではないか?」と考えるのです。


そして、贈与には時効という概念がありますが、タンス預金には時効という概念はありません。何十年前のものであっても財産計上は必要となります。

 

3.税務調査時に論点となるタンス預金
 

令和元年時点のデータで税務調査時の財産計上漏れの内、33%が現金・預貯金となっています。

 

もちろん、33%の中にタンス預金がどれだけの割合を占めいているかまでは分かりませんが、税務調査時に現預金が論点になることは往々にしてあります。【参照元:「令和元年事務年度における相続税の調査等の状況」国税庁】

4.タンス預金があった場合の対処法

 

相続発生時点でタンス預金があった場合には適正に財産計上する必要があります。被相続人が夫であり、相続人がその妻であった場合は、タンス預金は夫の財産だと推測されますので財産計上が必要となります。

 

タンス預金はばれないから計上しなくてよいのかといえば、明確にNOです。どれだけうまく隠しても税務調査官の目をすり抜けることは困難ですし、何よりも意図してタンス預金を隠した場合は重加算税の対象となることが考えられます。

 

5.タンス預金は争族の原因にもなる

 

タンス預金は被相続人の財産である以上、遺産分割協議の対象となります。申告書に財産計上せずに、タンス預金を独り占めしたとして、このことが後から別の相続人に発覚した場合、無用な争いを引き起こす可能性があります。

 

争族にならないためにも、タンス預金をきちんと財産計上することは大事です。

 

生前贈与加算とは?

1.生前贈与加算とは

 

生前贈与加算とは読んで字のごとく、「被相続人の生前3年以内に受けた贈与を加算します」ということです。

 

少し専門的に説明すると、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産がある場合に、その被相続人の財産として計上して相続税の申告をするということです。

 

わかりやすいように具体例を見ましょう。夫と妻と長男の3人家族がいたとします。2021年4年1日に夫に相続が発生したとします。このケースでは、夫から妻と長男に2018年4月1日以降贈与があった場合にはその贈与がなかったものとされ、夫の財産に計上されるのです。

 

2.生前贈与加算の理由

 

それではなぜこのような法律があるのでしょうか?お客様で実際にあったケースですが、ある人が亡くなる数日前に「このままじゃ相続税がたくさんとられてしまう!」と考え、子供や孫にそれぞれ100万円ずつ、合計で500万円贈与しました。

 

これで相続財産を少しでも減らせたと一同ほっとしたそうです。


しかし、これは少し考えると不公平かもしれません。片や数日前に500万円を贈与した人は、その分相続税が安くなり、片や数日前に何もしなかった人はまるまる相続税が課せられる。たった少しの違いで税額に大きな差が出てします・・・不平等ですね。


そして、こういった行為は相続税の節税対策の側面が強く、贈与税が相続税の補完税である点からすると、そもそもの制度趣旨としても疑問が残ります。

 

そうである以上、国としてもお亡くなりになる3年前までの贈与はなかったことにすることで不公平を是正し、行き過ぎた節税策にストップをかけているのですね。

 

3.生前贈与加算の対象者

 

生前贈与加算の対象者は相続または遺贈により財産を取得した人です。ということは、法定相続人であっても財産を一切貰っていない相続人や、相続人でない孫は生前贈与加算の対象外です。


ですので、「贈与をして節税したい」という場合に、お孫さんといった法定相続人以外の人にも贈与を行うのは意味があります。なぜなら、法定相続人でないお孫さんは生前贈与加算の対象外になるからです。

 

少し応用的な話になりますが、しばしばお孫さんを生命保険の受取人にしている方や遺言書でお孫さんを財産の受取人にされている方がいます。⇒相続専門税理士による遺言書作成について

 

勘の良い方ですと、お気づきかと思いますがこの場合、お孫さんは遺贈によって財産を取得した受遺者(遺言で財産をもらった人)となり生前贈与加算の対象になるのです。

 

また、このようなケースもあります。法定相続人が配偶者と長男、二男だったとして、それぞれが被相続人より亡くなる数日前に100万円ずつ贈与を受けていたとします。遺産分割協議で二男は何も相続しない、と分割協議が成立した場合、二男が受け取った財産は加算対象外になります。


生前贈与加算ひとつ取っても色々な論点がありますね。ご関心がある方は税理士への相談をおすすめします。

 

4.生前贈与加算と相続時精算課税制度

 

生前贈与加算は暦年贈与が対象です。ですので、相続時精算課税制度を利用している場合には、そもそも生前贈与加算の対象外です。相続時精算課税制度についてはまた別の機会にご説明します。

 

⇒暦年贈与についてはこちら

相続税申告における未分割の取り扱い

1.未分割とは?

 

未分割とは、被相続人が所有していた財産について、相続人間で遺産分割協議が成立していない状態を意味します。

 

相続を経験された方はご存じかも知れませんが、被相続人の銀行口座を解約しようと相続人が銀行に出向いたとします。すると銀行員の方から「遺産分割協議書はありますか?」と言われます。この、遺産分割協議が成立していない状態を未分割と言います。

 

2.未分割のデメリット

 

被相続人の財産が未分割であることのデメリットは何でしょうか。第一に被相続人の財産が相続人の共有状態となり、何もできない状態になる点です。具体例を挙げると、被相続人名義の土地がある場合、その土地を売却することができない、といったことです。


相続税上もデメリットがあります。その中でも影響が大きいのが、配偶者の税額軽減と小規模宅地等の課税価格の特例の適用ができない点です。本来ならこれらの特例適用を受けることで相続税を大幅に少なくすることができるのですが、未分割の場合、これらの特例の適用が受けらず、多額の納税が必要となる可能性があります。

 

3.実務上の取り扱い

 

相続税の申告期限は相続発生日から10か月以内と決まっています。10か月は意外とすぐに来てしまいます。未分割で相続税申告書を提出する場合は、法定相続分で相続した、と仮定して納税額を計算していき、法定相続分に応じた納税を行う必要があります。


もちろん、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の課税価格の特例は使えないので納税額は高くなる可能性がありますが、仕方ありません。


そして、最も重要なことは「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書と併せて提出することです。この分割見込書を提出することで申告期限後に分割協議が成立した場合、小規模宅地等の課税価格の特例や配偶者の税額軽減の適用ができることになります。忘れずに提出しましょう。

 

4.未分割で3年以上経過した場合の対応

 

未分割の状態で申告書を提出した場合には「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することは確認しました。3年以内、とありますので、まずは3年以内に分割協議が成立するよう話し合いを進めることになります。なお、3年を超えた場合には、税務署に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出します。

 

5.あえて未分割を選択するケースもある

 

未分割の場合、相続人にとってはデメリットが多いです。相続が争族になってしまったら、相続人間で顔も会わせるのも苦痛でしょう。

 

しかし、未分割を選択することでメリットがある場合があります。それは相続人に未成年者がいるケースです。相続人に未成年者がいる場合、遺産分割協議には特別代理人を選定することが必要になります。そして、基本的に未成年者には法定相続分が確保されることになります。


例えば相続人が19歳であった場合、結果的に申告期限まで未分割の状況になってしまえば、当初の申告は未分割で申告することになりますが、1年後にその相続人が成人を迎えた場合は法定相続分を確保する必要も特別代理人を選定する必要もありません。(※令和4年4月より成人年齢が18歳に引き下げられます。)


ただし、あと少しで成人になるようなケースを除き、遺産分割をあえて先延ばしにすることは様々な問題を引き起こしますので、基本的には早期に分割ができるよう話し合いを進めましょう。

名義預金とは?問題点や時効、注意点など

1.名義預金とは

 

名義預金とは何でしょうか?まず、読み方は「めいぎよきん」と読みます。借名預金(しゃくめいよきん)とも言われることがあります。

 

名義預金とは「他人の名義を借りた自分の預金」のことです。例えば、子供が生まれたときに子供名義の銀行口座を作る親御さんは多いと思います。


つまり、銀行口座の名義人は「子供」です。ですが、当たり前のことですがその預金額は親御さんが出したものです。これが名義預金の典型例です。

 

2.名義預金の何が問題?

 

親が子供の将来を想って預金を積み立てる。このことの何が問題になるかといえば、道徳的には全く問題ありません。しかし、税務的には問題が生じます。

 

結論から申し上げると、名義預金は「親の財産」になるのです。つまり、親に相続が発生した場合、子供名義で積み立てた預金残高も親の相続財産として相続税申告が必要になるのです。

 

3.名義預金に時効はある?


贈与税には時効があり、最長7年です。しかし、名義預金には時効という概念がありません。それは前回述べた「贈与」が成立しておらず、時が経過しても名義預金はあなた自身の財産であることに変わりはないからです。つまり、何十年もかかって積み立てた名義預金もあなたの財産として相続税申告が必要となるのです。

 

4.名義預金とみなされないためには


それでは税務署から名義預金とみなされないためにどうすればよいのでしょうか?答えは贈与として必要な手続きを行うことです。前回、贈与については述べてきましたが、名義預金とは相手がその存在を知らないことが前提になっています。

 

つまり、双方間で「贈与する」という行為があれば、これは名義預金ではなく贈与として相手のものになるわけです。ここで注意点があります。贈与で相手に預金をあげた以上、その管理を自分で行うのではなく、相手が自由に使えることが必要です。

 

当たり前のようですが、贈与したにもかかわらずその預金通帳を贈与者が管理していると税務調査時に問題が生じる可能性があります。相手に贈与した以上、相手がどう使おうと自由にさせるべきです。>>相続税の税務調査についてはこちら

 

5.名義預金の解消法

 

現時点で名義預金がある場合の解消法ですが、答えはシンプルです。元の預金口座にそっくりそのまま一度戻すことです。或いは現時点での名義預金残高の存在を名義人に伝え、贈与として相手のものにすることも解消法です。もちろんこの場合は110万円以上の残高があると贈与税の申告が必要となります。

 

7.名義預金はバレる?

 

お客様より「名義預金がバレるのですか?」と質問されることがあります。

 

答えはイエスです。

 

税務署はお亡くなりになった人の預金口座だけでなく、配偶者や親族、場合によっては孫の預金口座残高を調査します。

 

この際に、不相当に多い預金残高がある場合、税務署は「名義預金ではないか?」と考えます。例えば、被相続人(お亡くなりになった人)の預金残高が1000万円で、結婚後、ずっと専業主婦である配偶者の預金残高が1億円であれば税務署は名義預金ではないかと思うわけです。

 

6.こぼれ話

 

ここからは少し雑談のような話になりますが、へそくりって誰のものか考えたことありますか?お客様のご相談に乗っていると、しばしばへそくりの話になります。

 

このへそくり、実は名義預金になる可能性があります。

 

夫から渡された生活費を妻がやりくりして、その中から余った分をコツコツ貯めた。すごく立派なことですが、あくまでもそのお金を稼いだのは夫である以上、税務上は夫の財産になるのです。なんて冷たいの!と言われそうですが・・・

 

暦年贈与〜対象となる財産、注意点などを解説〜

1.暦年贈与とは


暦年贈与とは何でしょうか?まず、読み方ですが「れきねんぞうよ」と読みます。


次に、暦年とは1/1~12/31を指します。贈与とはその名の通り、贈り、与えることです。


つまり、暦年贈与とは「1/1~12/31までの期間」に「他の個人からもらった財産」の金額に応じて贈与税を支払う、通常の贈与の方法ということです。後述する1年当たりの非課税枠を利用して計画的に贈与を行うことで、相続税の節税を行うことができます。


この暦年贈与に対し、相続時精算課税制度を使った贈与の方法もありますが、相続時精算課税制度については次回以降、紹介していきます。

 

民法第549条~
ここで、民法上の言葉を借りて贈与の定義を説明すると、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をする事によって、その効力を生ずる。」と第549条で定められています。ちょっと難しいですね。

 

2.暦年贈与の対象となる財産


贈与税について「現金以外は贈与税の対象にならないですよね?」という質問をたまに受けます。答えはNOです。ちょっと難しい言葉ですが、経済的利益を受けた場合に贈与税が発生します。


経済的利益とは現金はもちろんのこと、例えば車を誰かからもらったとか、株券ももらったとかも贈与税の対象となります。簡単に言ってしまえば、自分が他人からもらって得をしたものに贈与税がかかります。


もちろん土地も暦年贈与の対象となる財産です。極端な話ですがその土地の評価額が110万円以下であれば贈与税の申告は不要です。

 

3.暦年贈与の対象とならないもの


何でもかんでも贈与税がかかるのかというとそうではありません。例えば、親や兄弟、祖父母といった扶養義務者から生活費や教育費に充てるためもらったお金は贈与税の対象となりません。


子供の学費が何千万かかろうとも、親が子供の教育費を支払った場合は贈与税の課税対象外です。

 

子供が私立大学医学部に進学して、年間の学費500万円を学校に支払ってもそれは扶養義務として当然のことであり、通常必要と認められる教育費には贈与税を課さないということです。

 

ただ、これには注意点があります。贈与税の課税対象とならない生活費や教育費は、必要な都度直接贈与を受けた財産であり、数年間分の生活費や教育費を一括して贈与を受けた場合に、余りが預貯金となっている場合などは、その生活費や教育費に充てられなかった部分は、贈与税の課税対象となります。

 

そして、通常必要と認められる以上の生活費も残念ながら贈与税の対象となりますからご注意ください。


その他にも入学祝い金や結婚祝い金、出産祝い金といったものも社会通念上、一般的な範囲内であれば贈与税は課税されません。こういうと「入学祝い金っていくらぐらいなら大丈夫なの?」と聞かれそうですが、残念ながら明確な基準はないのです。あくまで社会通念上、一般的な範囲内であれば問題ないです。

 

 

4.暦年贈与は子供や孫以外にはできないのか


以前、「孫にもお金をあげたいんだけど、贈与できませんよね?」とお客様から聞かれたことがあります。よくよく聞いてみると、そのお客様は贈与できる対象者は自分の子供だけと思っていたようです。


もちろん答えは「贈与は誰にでもできる!」です。極端な話、お隣さんにでも、お孫さんにでも、兄弟にでも誰にでも贈与はできます。


なお、税務上は配偶者も赤の他人です。奥さんだからといって、自分名義の株券を奥さんの名義に変更すると贈与税がかかりますのでご注意ください。

 

5.贈与税は財産をいくらもらうと発生するの?


暦年贈与には非課税枠があります。よく110万円までは贈与税がかからないと聞きませんか?まさに、その110万円が答えです。110万円までは贈与税がかかりません。

 

もう少し具体的にいえば、1/1~12/31までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額として110万円が差し引かれるのです。ですので、結果的に110万円までの財産は贈与税がかかりません。


ちなみに、この基礎控除は2001年改正前までは60万円でした。ですので、お客様で贈与税は非課税枠が60万円だと思っている方にいまだにお会いすることがあります。

 

6.贈与に契約書は必要か


結論からいうと契約書は必要ありません。それは民法上の規定からもわかります。

 

「1.暦年贈与とは」で紹介した民法上の規定に契約書が必要とは書いてありませんね。


しかし、個人的には契約書はあるに越したことはありません。こういうと「先生、誰も夫婦間で契約書なんか作ってないって!」と言われますが、夫婦間といえども税務上は他人です。反対に夫婦間だからこそ、親子間だからこそ、契約書を作ってしっかりと「あげた、もらった」の意思確認を残すことが重要だと思います。

 

7. 暦年贈与の注意点


「1.暦年贈与とは」で紹介した民法の条文のとおり、贈与とはあげた側ともらった側の双方間の認識が成立要件です。つまり、認知症の人の場合、認知能力がないので贈与がそもそも成立しないのです。ですので、お客様から「いつ贈与を始めるのがいいか?」と聞かれたら私は「今日からです」と答えています。


また、貰う側が未成年である場合は親権者が同意していることが必要となります。


その他、相続発生前3年間は暦年贈与しても結果的にお亡くなりになった方の財産に戻される(つまり、暦年増与はなかったものとされる)生前贈与加算という制度がありますので暦年贈与は思い立ったが吉日です。

 

8.贈与する日は毎年ずらすべきか

 

お客様から多い質問に「贈与する日は毎年ずらさないといけないとネットで見たんですけど・・・」というものがあります。これは定期贈与と見なされないための予防策としてのテクニックだと思います。


定期贈与とは「本当は1000万円を息子に贈与したい。だけど、110万円を超えると贈与税がかかるから10年にわけて100万円ずつ贈与しよう。忘れないように毎年息子の誕生日に贈与しよう。」といったものです。

 

この場合、税務署は始めから1000万円贈与する予定だったとみなし、贈与税を課税することが考えられます。

 

ここで大事なことは、贈与する日をずらすことではなく、本当はまとまったお金を渡したいけど贈与税逃れのために分割で贈与したことが問題である点です。

 

ですので、贈与する日はずらした方がいいというよりも、与える側と貰う側が毎年毎年、合意するということが大事です。

 

ただ、あくまで私見ですが贈与契約書まで作成するとなると、毎年全く同じ日に贈与を行うというのはなかなか難しいと思います。


それに李下に冠を正さずではないですが、税務職員に毎年同じ日に贈与があった場合、疑う人がいないとも言い切れませんので、あまり疑われる行為はやめた方がいいでしょう。

 

9.名義預金に注意


ここまで贈与について色々と書いてきました。繰り返しになりますが、贈与は双方間の意思が成立要件です。

 

つまり、片方がその存在を知らない場合は贈与が成立しません。よくあるケースは、おじいちゃんが孫のために内緒で孫名義の預金口座を作って、そこにお金を振り込んでいたというケースです。このケースは、名義預金についての回で後日紹介します。

 

10.暦年贈与にメス


 

ある日、業界紙を読んでいるとびっくりするニュースが飛び込んできました。それは暦年贈与が廃止されるという記事でした。この点については現在財務省が検討を進めるという段階ですが、もしかすると将来、暦年贈与がなくなるかもしれません。

 

この背景には生前贈与を利用した人としなかった人で相続税額に差がでるのはおかしいということがあるのではないでしょうか。


現在は相続税対策として暦年贈与をされる方が多いですが、贈与の本来的な趣旨は相続税の補完税の役割であるとされており、そういった意味で暦年課税が相続税対策となりすぎている現状に国がストップをかける可能性はあります。

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