相続税申告期限とは?期限や間に合わなかった場合の対応法

 

 

相続税には申告期限があるのを御存じでしょうか?

一般的に相続税の申告期限は被相続人の死亡の日の翌日から10ヶ月となっています。

短い期限ではない様に見えますが、さまざまな処理が必要なため予定より時間を取られ、申告期限が過ぎてしまう方も見受けられます。

相続税申告期限内に自分で手続きをすることができるのか?

また間に合わない場合のペナルティや救済措置などをわかりやすくご紹介いたします。

 

相続税申告期限と開始日

 

相続税の申告期限の開始日は、一般的なケースで被相続人の死亡の日の翌日からと定められています。

例えば1月10日にお身内の方がお亡くなりになった場合は、そこから10ヶ月として11月10日が申告の期限になります。
10ヶ月という申告期限は、つまり支払い期限(納付期限)にもなります。

10ヶ月=300日ではありませんので注意しましょう。

 

ただし、相続税申告書を提出する税務署の窓口が受付可能な日が申告期限の日、納期限の日になりますので、もし該当する申告期限の日が土日、祝日でしたら次の平日が期限になります。

 

▼詳しくは国税庁ホームページをご覧ください>>相続税の申告と納税

 

 

よくある相続税の申告期限に間に合わない理由

 

 

 

実際に手続きをしてみると、次のような内容が課題になり相続税申告書や添付書類を申告期限内に提出するのが難しくなってきます。

 

1.提出書類の収集

2.財産目録の完成

3.遺産分割協議書がまとめられない

 

1.提出書類の収集

まず亡くなった方(被相続人)の戸籍に関しての書類ですが、除籍謄本、改正原戸籍謄本(出生してから亡くなるまでの連続謄本)、住民票の除票(本籍記載で死亡時に作成)、を用意します。

同じく、相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明(遺言書がない場合)が必要になります。

そして遺言書がない場合には遺産分割協議書を作成するのですが、それには相続人全員の記名捺印の必要があります。

この捺印には印鑑証明の印鑑を使用します。

改正原戸籍謄本を用意する際に留意が必要な点として、亡くなった方が生前に引っ越しをされている場合は、戸籍を移籍した全ての市町村で戸籍謄本を取らなければなりません。

謄本を取って初めて、被相続人が引っ越しをしていた、出生地が違った、など意外な事実が判明するケースは多く見受けられます。

書類を取りに行くのが近隣の市町村ならまだしも、遠方の場合には郵送で役所とやり取りする場合も多く、時間を要します。

 

相続人の戸籍や住民票、印鑑照明も、同じ様なケースで手元に用意するまでに時間がかかります。

この書類をご自身で用意していただくのが一番早いですが、相続人がご高齢の場合や老人ホームや施設などに入居されている場合は、他の方が委任状を用意して書類を取りに行かなくてはいけません。

さらに、しばらく連絡が取れない方や、海外で生活している方など相続人ご本人の書類を用意するのが大変困難なケースもあります。

このように、案件ごとにさまざまな必要書類が発生するため、用意する段階で時間を要し、申告期限に間に合わないことがあります。

 

また、相続税の特例を使う場合に追加で必要となる身分関係の書類が発生する場合もあります。

そのため、何よりも早めに資料収集をすることが肝要になります。

 

参考>>相続税申告する際の必要書類と添付書類を徹底解説

 

2.財産目録の作成

財産目録の作成は遺言書などがあり、仮にその遺言書に不動産や預貯金、有価証券など全ての遺産が遺言書に記載されていても、相続財産の価額を評価計算する作業があります。

遺言書がないケースでは、相続人が被相続人の財産の整理から始めなければなりません。

また、この財産の評価は財産評価基本通達に定められているので、評価方法を調査し評価額を計算しなければならず、時間を多く費やします。

 

3.遺産分割協議書がまとめられない

遺産分割協議をまとめられず相続税の申告期限に間に合わない事例も見受けられます。

遺産分割協議にあたり相続人が複数人いて、遺産分割協議内容に納得がいかず話が一向にまとまらないケースです。

相続税申告では遺産の分割の内容次第で特例の適用も変わり、相続税の納付額も変わります。

そのため、基本的には遺産分割協議も相続税の申告期限の前まで終わらせる必要があります。

終わらない場合は未分割で相続税の申告をしなければなりません。

 

参考>>相続税申告における未分割の取り扱い

 

なお、未分割の財産については使えない特例もございます。

未分割を避けるためにも遺言書の作成はとても大切になります。

 

参考>>相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

 

 

ペナルティを負うケース

相続税の申告期限を1日でも過ぎるとペナルティがあります。

 

1.附帯税等

1.延滞税 

延滞税は、納付の期限までに支払われるべき相続税を納付していない場合、また期限の後に修正などで納付した税額が不足していた場合に発生します。

 

2.無申告加算税

無申告加算税とは、正当な理由がなく申告期限内に申告しない場合に発生します。

課税額は「自主的に申告を行った場合は納付税額の5%」となり「税務署からの調査連絡や指摘などで申告を行った場合は納付税額の10%~20%」となっています。

 

未分割で申告することの不利益
1.特例を適用できない

相続税の申告にはいくつか特例があり、その特例を適用させることで納税額を減額させることが可能になります。

その適用要件の1つに遺産分割などでその財産を取得する相続人が確定していること、とされている特例がありますので注意しましょう。

代表的な特例は小規模宅地の特例や配偶者の税額軽減になります。

 

2.相続税は申告期限に現金一括納付が原則

未分割でも相続税は申告期限に現金一括納付が原則です。

未分割であるということは被相続人の預金は拘束されたままで、相続人は自由に使えないということでもあります。

相続人の手持ちの預金で多額の相続税を納税しなければならないということはとても大変なことです。

 

繰り返しになりますが、遺産分割協議書がまとまらず未分割で申告をするケースは多いです。

遺言書があれば未分割という事態は避けられますので、遺言書を用意することはとても大切です。

 

参考>>相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

 

申告期限の延長と未分割の救済措置

 

 

申告期限の延長

基本的に相続税の申告期限は延長する事はできませんが、例外的に可能な場合があります。

代表的なものは昨今の自然災害等が原因で延長が認められる場合です。

新型コロナウイルスについても、新型コロナウィルスによる申告・納付期限延長の個別延長の申請書を提出し所轄税務署長等が承認した場合は延長されます。

なお納付期限は申告期限に連動しますので、納付期限も自動的に延長されます。

 

未分割の救済措置

未分割で申告をして申告期限後3年以内の分割見込書も添付する。

遺産分割協議がまとまらない場合は未分割の財産を法定相続分で分割したと仮定して、相続税申告書を作成し、申告期限後3年以内の分割見込み書を作成して添付します。

なお、一部財産が判明しない場合には概算で申告をするケースもあります。

この申告期限後3年以内の分割見込書は、まだ遺産分割が決定していない未分割の財産についてあくまでも3年以内に分割の見込みがありますと明示してある書類です。

後日改めて遺産分割が完了した後に、特例の適用なども含めて還付・更生の請求、もしくは追加納付・修正申告などの手続きを行い、納税額の調整をします。

 

まとめ

相続税の申告期限は10ヶ月と長く、余裕がありそうに思えます。

しかし、なんらかの特別な理由や正規の手続きがなく相続税の申告期限に間に合わなかった場合は罰金などのペナルティが課せられる事があります。

また、未分割で申告する場合は未分割の申告することの不利益があります。

税務署の窓口で聞くこともできますが相談の予約を取っても、相談窓口の時間が限られているので十分な相談ができずに終わる場合も少なくありません。

ご不安な方は、相続税申告期限や相続についてのプロである税理士に1度相談してみる事をおすすめします。

今まで暗礁に乗り上げていた事でも解決の糸口が見えることも少なくありません。

 

◆参考記事・関連ページ ※こちらも合わせてチェック!

相続税申告手続きの一般的な手順・流れ

 

相続税申告に関してよくある質問

 

知っておきたい相続税の税務調査について

タンス預金は違法なのか?時効や隠し方、対処法

1.タンス預金とは

 

タンス預金とはあくまで俗称で、タンスだけではなく、自宅に保管してある現金預金をいいます。日本銀行の発表によると、日本全国のタンス預金はなんと100兆円を超しているとのことです。

 

どれだけ時代が進んでも、現金を手許に保管しておきたいという人はまだまだ多いことがこのことからもわかります。

 

2.相続税申告においてタンス預金の何が問題か

 

相続税申告においてタンス預金の何が問題になるのかといえば、タンス預金の計上漏れが考えられる点です。

 

どういうことか具体例を挙げてみましょう。


被相続人(お亡くなりになった人)が12月31日にお亡くなりになったとします。

 

その時点で被相続人の預金残高が1000万円だったとします。しかし、被相続人の通帳を過去数年分、確認しているとある時は300万円、ある時は500万円、と合計で3000万円引き出されていたとします。


この時、税務調査官は「この3000万円はタンス預金として自宅に保管されているのではないか?」と考えるのです。


そして、贈与には時効という概念がありますが、タンス預金には時効という概念はありません。何十年前のものであっても財産計上は必要となります。

 

3.税務調査時に論点となるタンス預金
 

令和元年時点のデータで税務調査時の財産計上漏れの内、33%が現金・預貯金となっています。

 

もちろん、33%の中にタンス預金がどれだけの割合を占めいているかまでは分かりませんが、税務調査時に現預金が論点になることは往々にしてあります。【参照元:「令和元年事務年度における相続税の調査等の状況」国税庁】

4.タンス預金があった場合の対処法

 

相続発生時点でタンス預金があった場合には適正に財産計上する必要があります。被相続人が夫であり、相続人がその妻であった場合は、タンス預金は夫の財産だと推測されますので財産計上が必要となります。

 

タンス預金はばれないから計上しなくてよいのかといえば、明確にNOです。どれだけうまく隠しても税務調査官の目をすり抜けることは困難ですし、何よりも意図してタンス預金を隠した場合は重加算税の対象となることが考えられます。

 

5.タンス預金は争族の原因にもなる

 

タンス預金は被相続人の財産である以上、遺産分割協議の対象となります。申告書に財産計上せずに、タンス預金を独り占めしたとして、このことが後から別の相続人に発覚した場合、無用な争いを引き起こす可能性があります。

 

争族にならないためにも、タンス預金をきちんと財産計上することは大事です。

 

相続税申告する際の必要書類と添付書類を徹底解説

 

 

相続税申告は難しいイメージがあり、不安な方もいるかもしれません。

大切なご家族の方が亡くなったとき、相続税の納税義務が発生することがあります。

葬儀や法要でそれどころではないという方も多いですが、相続税の申告には期限があります。

相続税申告に必要な書類について事前に把握しておくと、いざ相続が発生した時に焦らずに済むでしょう。

今回は、必要な書類や相続税の申告期限について詳しく解説します。

 

相続税の申告をしなければならない方は?

相続が生じたとしても遺された財産によっては相続税申告を行う必要がないケースもあります。

相続税申告をしなければならない方は被相続人の相続財産が基礎控除額を超える場合にその相続財産を取得した人になります。

相続税には「基礎控除」という非課税枠が設けられており、被相続人の相続財産の相続税評価額の合計額が基礎控除額の範囲内であれば、相続税の申告はしなくても大丈夫です。

 

 

相続税申告の基礎控除額の計算方法は?相続税申告には、期限がある

基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出できます。

「法定相続人」とは、民法で定められた相続人のことを言います。

 

法定相続人が一人のケースの基礎控除額を見ていきましょう。

「3,000万円+600万円×1人」で3,600万円ということになります。

 

法定相続人が二人の場合 3,000万円+600万円×2人 で、4200万円です。

法定相続人が三人の場合 3,000万円+600万円×3人 で、4800万円です。

 

法定相続人の人数によって、基礎控除額も変わります。

この基礎控除額を超過した場合、相続税の申告を行う必要があります。

 

例えば、法定相続人が二人の場合は4200万円以内であれば相続税の申告が必要ないですが、4500万円だった場合には、申告が必要です。

 

相続税申告書の提出先は税務署ですが、被相続人の住所のある地域を管轄している税務署となります。

全国どこの税務署でも手続きできるシステムではないので注意が必要です。

 

相続税申告の期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

相続税申告の期限を過ぎてしまうと、附帯税として重いペナルティーが課せられるので、手続きは早めに進めることをおすすめします。

 

相続税申告期限とは?期限や間に合わなかった場合の対応法

 

相続税申告するときの必要な資料の入手方法

「相続税の申告書」に加えて、他の資料を添付する必要があります。

どこにどんな種類の資料を貰いに行ったらよいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

後述で相続財産の種類別に必要となる資料を表にまとめましたので、参考にしてみてください。

全ての資料を集めるまでには平均1カ月前後かかると予想されますので、早めに資料の収集をすることが大切です。

 

「相続税申告書」は、税務署か国税庁ホームページで入手可能

「相続税申告書」は、税務署か国税庁のホームページから相続税申告書は相続が発生した年の様式をダウンロードして入手します。

書き方は、氏名や住所、誰がいくら相続税を支払うのかを細かく記載します。

書き方に関しては、国税庁のホームページをご覧ください。

記載しなければならない書類は、第1表から第15表までありますが、必要な書類を選択して使用してください。

 

相続財産の種類別!相続税申告するときに必要な資料と受け取り先ご紹介

相続税申告をするときに頻度の高い種類は、以下の2点です。

1.生命保険金の受取人である場合

2.預貯金を相続する場合

 

1.生命保険金の受取人である場合

生命保険金を受け取るケースでは、「生命保険金支払通知書(生命保険会社)」、「生命保険証書(自宅)」を準備してください。

 

2.通帳の預貯金を相続する場合

通帳の預貯金を相続する場合は、「金融機関の預金残高証明書(金融機関)」、「定期預金の既経過利息計算書(金融機関)」、「被相続人の通帳のコピー(自宅)」を集めてください。

 

その他にも、相続税申告をするときの必要書類一覧を見ていきます。

自分に該当する相続財産の種類を確認してみてください。

 

なお、弊社で相続税申告をご依頼いただいた場合には、相続税申告のための資料収集チェックリストをお客様と一緒に行い、相続税申告に必要な書類をヌケモレなくお伝えします。→相続税申告手続きの流れ

 

また、必要な資料を収集する時間がとれないという方は、提携先の司法書士事務所に遺産整理業務を依頼することも可能です。

 

相続税申告するときに身分関係の書類で準備すべき書類一覧

相続する財産によって必要書類は異なります。

全ての書類を集めるまでには平均1カ月前後かかると予想されます。

相続税の申告期限もあるため、可能な範囲でできる限り早めに取り組みましょう。

 

相続税申告にあたって集める書類

入手先

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

市区町村役場 (被相続人が亡くなってから10日以上が過ぎた後に取得したものが必要)

相続人の戸籍謄本

印鑑証明書(遺言がなく、かつ相続人が2人以上で遺産分割協議書で遺産を分割する場合)

被相続人の住民票の除票

被相続人の戸籍の附票(特例などで必要になるケースがあります)

相続人の住民票(マイナンバーカードをお持ちでない方は個人番号あり)

相続人の戸籍の附票(不動産相続登記や特例などで必要になるケースがあります)

※まずは相続人を特定することが大切です。

 

相続税申告するにあたって、「建物」や「土地」を相続するときに必要な書類

 

 

不動産が「建物」と「土地」で集める書類が異なります。

 

建物

集める書類

入手先

登記簿謄本(全部事項証明書)

法務局

固定資産税評価証明書または名寄せ

市区町村役場

賃貸借契約書

自宅

 

土地

集める書類

入手先

登記簿謄本(全部事項証明書)

法務局

地積測量図または公図の写し

固定資産税評価証明書または名寄せ

市区町村役場

賃貸借契約書

自宅

住宅地図

ゼンリン又はグーグルマップ
路線価図(路線価のある土地)        国税庁HP  
評価倍率表(路線価のない土地で一定の場合)  

※法務局や国税庁で入手できる資料は公開情報のため、弊社が取得いたします。また、ゼンリンの地図もご準備いたします。

 

相続税申告する場合に、株式や投資信託を相続するときに必要な書類一覧

 

 

「非上場株式」と「上場株式・投資信託」では、集める書類が異なります。

 

非上場株式

集める書類

入手先

法人税等決算書申告書一式(直近3期分)

該当する企業

相続開始の日の生命保険の解約返戻金等の資料など

生命保険会社

法人所有の固定資産税評価証明書又は名寄せなど

市町村役場

※非上場株式の評価はとても専門的なため、ご自身で作成するのは相当難しいと思います。 また上記以外にも必要な書類が発生する可能性はあります。

 

上場株式・投資信託

集める書類

入手先

証券会社の残高証明書

契約している証券会社

配当金の支払通知書

自宅

 

相続税申告の特例や控除を受けるときには、別の書類を準備する

相続税の税額控除や特例の適用を受けるときは、それぞれに応じた書類を準備しなければなりません。

よく発生する事例の「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減」で必要となる書類を見ていきましょう。

両方の適用を受ける場合、同じ書類を集めなければならないとお困りの方もいるかもしれませんが、一つで問題ありません。

 

相続税申告で小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)の適用を受ける場合に必要な書類

必要書類

入手先

相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)(遺言書がない場合)

市区町村役場

 

遺言書又は遺産分割協議書の写し

自分で作成又は専門家に依頼

※他にも必要な書類が発生するケースもあります。

小規模宅地の特例は相続人の誰もが適用できる特例ではないため、誰が相続したかが非常に重要になります。

上記で重複しているものを除きます。

 

相続税申告で配偶者控除の適用を受ける場合に相続税申告するときに必要な書類

上記に記載の資料の他には特にありませんが、配偶者が取得した財産を明確にするために、遺言書又は遺産分割協議書の写しは必要になります。

 

まとめ

相続税申告に必要な書類や相続税の申告期限について詳しく解説しました。

相続税申告は、書き方を調べたり、必要書類を確認したり、書類等の不備の訂正など、予定していた以上に時間がかかることがよくみうけられます。

相続税の申告期限は被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内となっていますが、時間にゆとりがないケースも多いです。

相続税の申告手続きが自分では不安な方は、専門知識のある税理士にご相談いただけると安心できるかと思います。

親身になって相談にのってくれる実績豊富な税理士に相談することをおすすめします。

相続税申告手続きの適切な助言に加え、節税に関するさまざまなアドバイスも貰えるでしょう。

自分一人で抱え込まずに、税理士に依頼することも検討してみてください。

 

当事務所には相続専門チームがあり、相続税法に合格した税理士、税理士有資格者6名在籍しています。→相続税専門チームスタッフ紹介

相続税専任のスタッフが、お客様の問題解決に向けて責任を持って対応させていただきます。

なお、相続税申告における資料の収集についてですが弊社で相続税申告をご依頼いただいた場合には、相続税申告のための資料収集チェックリストをお客様と一緒に行い、相続税申告に必要な書類をヌケモレなくお伝えします。

また、必要な資料を収集する時間がとれないという方は、提携先の司法書士事務所に遺産整理業務を依頼することも可能です。
ぜひ一度、ご相談下さい。

 

◆自分では難しそう、、、相続税申告を税理士に依頼されることを検討してみたい方へ

 

まずは以下の関連ページをご覧ください。

相続税申告手続きの一般的な手順・流れ

 

相続税申告に関してよくある質問

 

相続税申告の税理士報酬がわかりにくい!とお困りではありませんか?

相続税の節税になる?配偶者短期居住権とは?存続期間や条件など概要をわかりやすく解説!

前回は、→相続税の節税となる配偶者居住権って?いつまで?要件は?よくある質問に専門家が一挙回答!

という記事を公開させていただきました。

 

今回は、配偶者短期居住権の概要についてです。

 

配偶者短期居住権とは

 

配偶者短期居住権とは、夫婦のどちらかが亡くなり、残された配偶者が亡くなった人の所有する建物(一般的には自宅)に居住していたことを要件に、相続開始以後、直ちに住み慣れた建物を出ていかなければならないとすると、精神的にも肉体的にも大きな負担となるため、遺産分割協議がまとまるまでか、協議が早くまとまった場合でも配偶者が亡くなってから6ヶ月間は建物に無償で住むことができる権利です。

配偶者短期居住権は配偶者居住権とは異なり、相続の開始により自動的に発生する権利です。

 

相続税の節税となる配偶者居住権って?いつまで?要件は?よくある質問に専門家が一挙回答!

 

 

配偶者短期居住権の及ぶ範囲

 

配偶者短期居住権は、配偶者が無償で使用していた部分についてのみ効力が及びます。その成立範囲については、居住部分に限らず、配偶者が無償で使用していた部分全体に及びます。

 

 

配偶者短期居住権の存続期間

 

配偶者短期居住権の存続期間は、遺産分割協議がまとまり建物の帰属が確定した日又は相続開始の日から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日までとされています。

それ以外の場合(配偶者が相続放棄をした場合など)については、建物の取得者からの「配偶者短期居住権の消滅の申入れ」を受けた日から6ヶ月を経過する日までとされています。

 

建物の使用について

 

配偶者は、配偶者短期居住権の存続期間内は建物に住み続けることはできますが、建物の所有者の承諾を得ることなく、他人に賃貸するなどこれまでと異なる用途で建物を使用することはできません。

 

建物の費用の負担

 

配偶者短期居住権が設定されている建物については、通常の必要費(固定資産税や通常の修繕費)は所有者ではなく、配偶者が負担する必要があります。

 

建物が滅失した場合の配偶者居住権

 

建物が地震で全壊してしまったなど、建物全体を使うことができなくなった場合は、配偶者短期居住権は消滅します。

 

登記について

 

配偶者短期居住権は登記することはできません。万が一、建物が第三者に譲渡されてしまった場合には、その第三者に対して配偶者短期居住権を主張することができません。配偶者は、建物を譲渡した者に対して、債務不履行に基づく損害賠償を請求することが考えられます。

 

配偶者短期居住権の財産評価

 

配偶者短期居住権は配偶者居住権とは異なり、相続税申告書における財産評価額は0円(相続税申告の対象外)となります。

国税庁の令和2年7月7日相続税及び贈与税等に関する質疑応答事例(民法(相続法)改正関係)について(情報)にも明確に記載されています。

 

配偶者居住権の具体的な評価方法につきましては、→「配偶者居住権の評価方法とは?」

にてご紹介していますので合わせてチェックしてみてください。

 

私たちは配偶者の生活を守る、そして、実は相続税の節税にも非常に効果的である、配偶者居住権を積極的に提案しています。

 

配偶者居住権を設定する相続税申告をしたい方、配偶者居住権を公正証書遺言に記載したい方は、ぜひ、笘原拓人税理士事務所までご相談ください。

 

相続税申告手続きの一般的な手順・流れ

 

相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

 

相続税申告に関してよくある質問

配偶者居住権って?いつまで?要件、評価方法、節税額など専門家が一挙解説!

1.配偶者居住権とは

 

配偶者居住権とは、夫婦のどちらかが亡くなった場合に、残された配偶者が亡くなるまで又は一定の期間、亡くなった人が所有していた建物に無償で住むことができる権利です。

 

2.配偶者居住権が新設された経緯

 

配偶者居住権は、令和2年4月1日以降に発生した相続から新たに認められた権利になりますが、なぜこのような制度ができたのでしょうか?

 

もともと、嫡出子(婚姻している男女の子)と非嫡出子(婚姻していない男女の子)の相続割合は異なっていて、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1でした。しかし、2013年9月4日の最高裁で、この民法の規定は憲法違反であるという判決が出て民法が改正され、今では「嫡出子と非嫡出子の相続割合は同じ」となりました。

 

この改正により、非嫡出子の相続分が増えたことで、結果として配偶者の相続分が減り、今まで住んでいた自宅を追い出されたり、生活資金を奪われるケースが増えてきたのです。

 

そこで、残された配偶者を守るために生まれたのが、配偶者居住権です。

 

3.配偶者居住権の成立要件

 

配偶者居住権が成立するためには、以下①~③の要件をすべて満たす必要があります。

 

  1. 配偶者が、亡くなった人が所有していた建物に亡くなった時に住んでいたこと
  2. 遺産分割、遺贈、死因贈与、家庭裁判所の審判のいずれかにより配偶者居住権を取得したこと
  3. 亡くなった人が、亡くなった時に建物を配偶者以外の人と共有していないこと

 

4.配偶者居住権の存続期間

 

配偶者居住権は一度設定したら永遠に存続するというわけではありません。存続期間は、遺産分割協議や遺言で決めることになります。

 

実務上は、配偶者が亡くなるまで(終身)に設定することが多いと思います。

 

5.建物の費用の負担

 

配偶者居住権が設定されている建物については、通常の必要費(固定資産税や通常の修繕費)は所有者ではなく、配偶者が負担する必要があります。

 

6.建物が滅失した場合の配偶者居住権

 

建物が地震で全壊してしまったなど、建物全体を使うことができなくなった場合は、配偶者居住権は消滅します。

 

 

私たちは配偶者の生活を守る、そして、実は相続税の節税にも非常に効果的である、配偶者居住権を積極的に提案しています。

配偶者居住権を設定する相続税申告をしたい方、配偶者居住権を公正証書遺言に記載したい方は、ぜひ、笘原拓人税理士事務所までご相談ください。

 

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相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

相続税申告手続きの流れ

 

 

配偶者居住権の評価方法について

 

 

次に、配偶者居住権の評価について、順番に説明させていただきます。

 

まずは、配偶者居住権の評価の考え方についてです。

 

配偶者居住権の評価の考え方

建物の所有者は、配偶者居住権の存続期間が終了した時に建物を自由に使うことができる状態に戻すことになります。

 

この点に着目し、配偶者居住権の価額は、建物の所有権部分の「配偶者居住権存続期間終了時の価額(将来価値)」を求め、それを現在価値に割り戻し、建物の時価からその割り戻した所有権部分の価額を控除した金額により評価します。

 

 具体的には、以下のような考え方になります。

 

  • 配偶者居住権存続期間終了時の建物の所有権部分の価額を減価償却に似た方法を用いて計算します
  • ①で計算した配偶者居住権存続期間終了時の建物の価額を現在の価値に割り戻して、相続開始時の建物の所有権部分の時価を求めます
  • 相続開始時の建物の価額から②で求めた所有権の価額を控除して配偶者居住権の時価を求めます

 

出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/200701/pdf/03.pdf

 

 

 

配偶者居住権の評価方法の概要についてご説明させていただきます。

 

配偶者居住権の評価方法

配偶者居住権の価額は、以下の算式により評価します。 ※1 建物の固定資産税評価額となります。

固定資産税評価額は、毎年4月頃に市役所から送られてくる固定資産税課税明細書で確認することができます。 ただし、建物の一部が賃貸されている場合、または、亡くなられたかたが建物を配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となります。

※2耐用年数、※3経過年数、※4存続年数については、次回ご説明いたします。

 

建物の評価方法

建物の価額は、以下の算式により評価します。

控除される配偶者居住権の価額部分が相続税の節税となります。

 

敷地利用権の評価方法

敷地利用権の価額は、以下の算式により評価します。

 

※財産評価基本通達により評価した金額となります。

ただし、建物の一部が賃貸されている場合、またが、亡くなられたかたが建物を配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となります。

 

 

建物の敷地の評価方法

建物の敷地の価額は、以下の算式により評価します。

 

 

控除される敷地利用権の価額部分が相続税の節税となります。

 

次に、評価の概要の説明の中に出てきた、耐用年数、経過年数、存続年数、存続年数に応じた法定利率による複利現価率という用語の意味について説明させていただきます。

 

 

 

耐用年数

耐用年数とは、耐用年数省令に定める住宅用の耐用年数を 1.5倍したものをいいます(具体的には次の表1のとおりです)

 

出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/200701/pdf/32.pdf

 

経過年数

経過年数とは、建物の新築時から配偶者居住権が設定された時までの年数をいいます。
配偶者居住権が設定された時とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる時をいいます。
(1)遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされた場合
遺産の分割が行われた時
(2)配偶者居住権が遺贈の目的とされた場合
相続開始の時

存続年数

存続年数とは、「配偶者居住権が存続する年数として政令で定める年数」をいうものとされています。
具体的には、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める年数をいいます。

(1)配偶者居住権の存続期間が配偶者の終身の間とされている場合
配偶者居住権が設定された時における当該配偶者の平均余命(具体的には、次の表2のとおりです)

出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/200701/pdf/33.pdf


(2)上記⑴以外の場合
配偶者居住権が設定された時から配偶者居住権の存続期間満了の日までの年数(配偶者居住権が設定された時における配偶者の平均余命を上限とします)

存続年数に応じた法定利率による複利現価率

上記3の存続年数に応じたものを下記の表から選択します。

出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/200701/pdf/34.pdf

 


具体的な数字を使って、配偶者居住権を設定した場合にどのくらいの節税となるかは、以下の記事にてご説明させていただいております。→配偶者居住権を設定した場合にどれくらい相続税の節税ができるか?計算例をシミュレーションしてみました。


私たちは配偶者の生活を守る、そして、実は相続税の節税にも非常に効果的である、配偶者居住権を積極的に提案しています。

 

配偶者居住権を設定する相続税申告をしたい方、配偶者居住権を公正証書遺言に記載したい方は、ぜひ、笘原拓人税理士事務所までご相談ください。

 

相続税申告手続きの一般的な手順・流れ

 

相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

 

 

 

配偶者居住権を設定した場合、どれくらいの節税ができる?実際にシミュレーション!

 

配偶者居住権を設定した場合にどのくらいの節税になるか、具体的な数字を使って説明させていただきます。

 

 

 

前提条件

 

配偶者居住権等の評価額

 

①配偶者居住権の価額

②配偶者居住権の価額

③敷地利用権の価額

④建物の敷地の価額

配偶者居住権を設定した場合の一次相続

(1)長男
配偶者居住権を設定せずに長男が土地建物を取得した場合は、
3,000万円(土地) +1,000万円(建物) = 4,000万円
の財産を引き継ぐことになります。

一方、配偶者居住権を設定した場合は、
配偶者居住権設定後の価額
土地2,103万円 + 建物 54万円 = 2,157万円
となります。

(2)母 配偶者居住権
存続年数とは、「配偶者居住権が存続する年数として政令で定める年数」をいうものとされています。
具体的には、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める年数をいいます。

(3)一次相続の財産の価額の合計額
(1)+(2)=4,000万円
一次相続の段階ではご自宅の財産の総額が4,000万円であることに変わりはありません。

配偶者居住権を設定した場合の母の二次相続

配偶者居住権は配偶者の一身専属の権利のため、二次相続では長男に相続されるわけではなく、母がお亡くなりになることにより消滅します。そのため、母の二次相続では配偶者居住権は相続財産ではなくなります。

長男は1,843万円(消滅した配偶者居住権の価額)を減額した状態で一次相続においてご自宅を相続したことになりますので、相続税の税率が20%の方の場合、368万円(1,843万円×20%)の節税となります。

今回の計算はあくまでも一例ですので、ご自身の土地建物に配偶者居住権を設定した場合に、どのくらいの節税となるかお知りになりたい場合は、一度相続税の試算をされることをおすすめします。

私たちは配偶者の生活を守る、そして、実は相続税の節税にも非常に効果的である、配偶者居住権を積極的に提案しています。
配偶者居住権を設定する相続税申告をしたい方、配偶者居住権を公正証書遺言に記載したい方は、ぜひ、笘原拓人税理士事務所までご相談ください。

 

配偶者居住権に関するよくある質問

 

Q1. 私が死んだ時に備えて、配偶者のために配偶者居住権を設定したいと考えているのですが、何をすればいいのでしょうか?

 

A1. あなたの所有する建物に配偶者が居住している場合には、遺言で配偶者へ配偶者居住権を遺贈することで、配偶者居住権を設定することができます。

ただし、あなたが亡くなった時点でもその建物に配偶者が居住している必要があります。

 

 

Q2. 配偶者が遺言をしないまま亡くなってしまった場合には、残された私は配偶者居住権を取得することはできないのでしょうか?

 

A2.配偶者が亡くなった時点であなたがその建物に居住していた場合には、他の相続人と遺産分割協議をすることで配偶者居住権を取得することができます。

 

 

Q3. 配偶者居住権を取得したのですが、私の家族をその建物に同居させることはできますか?

 

A3. 配偶者居住権が設定された建物に、家族が同居することは可能です。

 

 

Q4. 配偶者居住権を売却することはできますか?

 

A4. 配偶者居住権は第三者に売却することはできません。あなたが配偶者居住権を放棄することを条件に、これによって利益を受ける建物の所有者から金銭の支払いを受けることは可能です。

また、建物の所有者の承諾が得られれば、第三者に建物を賃貸し、賃料収入を得ることは可能です。

 

 

Q5. 配偶者の生前は、建物の一部を私たち夫婦の居住用として使ってたのですが、配偶者居住権の効力が及ぶのはその部分だけになるのでしょうか?

 

A5. 配偶者居住権は、配偶者がその建物の全部について無償で使用収益できる権利になりますので、建物の一部しか使用していなかった場合でも、配偶者居住権の効力は建物全部に及ぶことになります。

 

 

Q6. 配偶者居住権は登記しないといけないのですか?

 

A6. 配偶者居住権は成立要件を満たしていれば権利として発生しますが、第三者に対抗するためには登記が必要です。

また、建物の所有者は配偶者に対して配偶者居住権の登記を備えさせる義務を負っています。設定登記は配偶者と建物の所有者との共同申請となります。

 

 

配偶者居住権の具体的な評価方法につきましては、次回以降でご説明します。→配偶者居住権の評価について

 

私たちは配偶者の生活を守る、そして、実は相続税の節税にも非常に効果的である、配偶者居住権を積極的に提案しています。

 

配偶者居住権を設定する相続税申告をしたい方、配偶者居住権を公正証書遺言に記載したい方は、ぜひ、笘原拓人税理士事務所までご相談ください。

 

相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

相続税申告手続きの流れ

生前贈与加算とは?

1.生前贈与加算とは

 

生前贈与加算とは読んで字のごとく、「被相続人の生前3年以内に受けた贈与を加算します」ということです。

 

少し専門的に説明すると、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産がある場合に、その被相続人の財産として計上して相続税の申告をするということです。

 

わかりやすいように具体例を見ましょう。夫と妻と長男の3人家族がいたとします。2021年4年1日に夫に相続が発生したとします。このケースでは、夫から妻と長男に2018年4月1日以降贈与があった場合にはその贈与がなかったものとされ、夫の財産に計上されるのです。

 

2.生前贈与加算の理由

 

それではなぜこのような法律があるのでしょうか?お客様で実際にあったケースですが、ある人が亡くなる数日前に「このままじゃ相続税がたくさんとられてしまう!」と考え、子供や孫にそれぞれ100万円ずつ、合計で500万円贈与しました。

 

これで相続財産を少しでも減らせたと一同ほっとしたそうです。


しかし、これは少し考えると不公平かもしれません。片や数日前に500万円を贈与した人は、その分相続税が安くなり、片や数日前に何もしなかった人はまるまる相続税が課せられる。たった少しの違いで税額に大きな差が出てします・・・不平等ですね。


そして、こういった行為は相続税の節税対策の側面が強く、贈与税が相続税の補完税である点からすると、そもそもの制度趣旨としても疑問が残ります。

 

そうである以上、国としてもお亡くなりになる3年前までの贈与はなかったことにすることで不公平を是正し、行き過ぎた節税策にストップをかけているのですね。

 

3.生前贈与加算の対象者

 

生前贈与加算の対象者は相続または遺贈により財産を取得した人です。ということは、法定相続人であっても財産を一切貰っていない相続人や、相続人でない孫は生前贈与加算の対象外です。


ですので、「贈与をして節税したい」という場合に、お孫さんといった法定相続人以外の人にも贈与を行うのは意味があります。なぜなら、法定相続人でないお孫さんは生前贈与加算の対象外になるからです。

 

少し応用的な話になりますが、しばしばお孫さんを生命保険の受取人にしている方や遺言書でお孫さんを財産の受取人にされている方がいます。⇒相続専門税理士による遺言書作成について

 

勘の良い方ですと、お気づきかと思いますがこの場合、お孫さんは遺贈によって財産を取得した受遺者(遺言で財産をもらった人)となり生前贈与加算の対象になるのです。

 

また、このようなケースもあります。法定相続人が配偶者と長男、二男だったとして、それぞれが被相続人より亡くなる数日前に100万円ずつ贈与を受けていたとします。遺産分割協議で二男は何も相続しない、と分割協議が成立した場合、二男が受け取った財産は加算対象外になります。


生前贈与加算ひとつ取っても色々な論点がありますね。ご関心がある方は税理士への相談をおすすめします。

 

4.生前贈与加算と相続時精算課税制度

 

生前贈与加算は暦年贈与が対象です。ですので、相続時精算課税制度を利用している場合には、そもそも生前贈与加算の対象外です。相続時精算課税制度についてはまた別の機会にご説明します。

 

⇒暦年贈与についてはこちら

相続税申告における未分割の取り扱い

1.未分割とは?

 

未分割とは、被相続人が所有していた財産について、相続人間で遺産分割協議が成立していない状態を意味します。

 

相続を経験された方はご存じかも知れませんが、被相続人の銀行口座を解約しようと相続人が銀行に出向いたとします。すると銀行員の方から「遺産分割協議書はありますか?」と言われます。この、遺産分割協議が成立していない状態を未分割と言います。

 

2.未分割のデメリット

 

被相続人の財産が未分割であることのデメリットは何でしょうか。
第一に被相続人の財産が相続人の共有状態となり、何もできない状態になる点です。
具体例を挙げると、被相続人名義の土地がある場合、その土地を売却することができない、といったことです。


相続税上もデメリットがあります。
その中でも影響が大きいのが、配偶者の税額軽減と小規模宅地等の課税価格の特例の適用ができない点です。
本来ならこれらの特例適用を受けることで相続税を大幅に少なくすることができるのですが、未分割の場合、これらの特例の適用が受けらず、多額の納税が必要となる可能性があります。

 

未分割でも相続税は申告期限に現金一括納付が原則です。
未分割であるということは被相続人の預金は拘束されたままで、相続人は自由に使えないということでもあります。
相続人の手持ちの預金で多額の相続税を納税しなければならないということはとても大変なことです。

 

3.実務上の取り扱い

 

相続税の申告期限は相続発生日から10か月以内と決まっています。10か月は意外とすぐに来てしまいます。未分割で相続税申告書を提出する場合は、法定相続分で相続した、と仮定して納税額を計算していき、法定相続分に応じた納税を行う必要があります。


もちろん、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の課税価格の特例は使えないので納税額は高くなる可能性がありますが、仕方ありません。


そして、最も重要なことは「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書と併せて提出することです。この分割見込書を提出することで申告期限後に分割協議が成立した場合、小規模宅地等の課税価格の特例や配偶者の税額軽減の適用ができることになります。忘れずに提出しましょう。

 

4.未分割で3年以上経過した場合の対応

 

未分割の状態で申告書を提出した場合には「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することは確認しました。3年以内、とありますので、まずは3年以内に分割協議が成立するよう話し合いを進めることになります。なお、3年を超えた場合には、税務署に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出します。

 

5.あえて未分割を選択するケースもある

 

未分割の場合、相続人にとってはデメリットが多いです。相続が争族になってしまったら、相続人間で顔も会わせるのも苦痛でしょう。

 

しかし、未分割を選択することでメリットがある場合があります。それは相続人に未成年者がいるケースです。相続人に未成年者がいる場合、遺産分割協議には特別代理人を選定することが必要になります。そして、基本的に未成年者には法定相続分が確保されることになります。


例えば相続人が19歳であった場合、結果的に申告期限まで未分割の状況になってしまえば、当初の申告は未分割で申告することになりますが、1年後にその相続人が成人を迎えた場合は法定相続分を確保する必要も特別代理人を選定する必要もありません。(※令和4年4月より成人年齢が18歳に引き下げられます。)


ただし、あと少しで成人になるようなケースを除き、遺産分割をあえて先延ばしにすることは様々な問題を引き起こしますので、基本的には早期に分割ができるよう話し合いを進めましょう。

名義預金とは?問題点や時効、注意点など

1.名義預金とは

 

名義預金とは何でしょうか?まず、読み方は「めいぎよきん」と読みます。借名預金(しゃくめいよきん)とも言われることがあります。

 

名義預金とは「他人の名義を借りた自分の預金」のことです。例えば、子供が生まれたときに子供名義の銀行口座を作る親御さんは多いと思います。


つまり、銀行口座の名義人は「子供」です。ですが、当たり前のことですがその預金額は親御さんが出したものです。これが名義預金の典型例です。

 

2.名義預金の何が問題?

 

親が子供の将来を想って預金を積み立てる。このことの何が問題になるかといえば、道徳的には全く問題ありません。しかし、税務的には問題が生じます。

 

結論から申し上げると、名義預金は「親の財産」になるのです。つまり、親に相続が発生した場合、子供名義で積み立てた預金残高も親の相続財産として相続税申告が必要になるのです。

 

3.名義預金に時効はある?


贈与税には時効があり、最長7年です。しかし、名義預金には時効という概念がありません。それは前回述べた「贈与」が成立しておらず、時が経過しても名義預金はあなた自身の財産であることに変わりはないからです。つまり、何十年もかかって積み立てた名義預金もあなたの財産として相続税申告が必要となるのです。

 

4.名義預金とみなされないためには


それでは税務署から名義預金とみなされないためにどうすればよいのでしょうか?答えは贈与として必要な手続きを行うことです。前回、贈与については述べてきましたが、名義預金とは相手がその存在を知らないことが前提になっています。

 

つまり、双方間で「贈与する」という行為があれば、これは名義預金ではなく贈与として相手のものになるわけです。ここで注意点があります。贈与で相手に預金をあげた以上、その管理を自分で行うのではなく、相手が自由に使えることが必要です。

 

当たり前のようですが、贈与したにもかかわらずその預金通帳を贈与者が管理していると税務調査時に問題が生じる可能性があります。相手に贈与した以上、相手がどう使おうと自由にさせるべきです。>>相続税の税務調査についてはこちら

 

5.名義預金の解消法

 

現時点で名義預金がある場合の解消法ですが、答えはシンプルです。元の預金口座にそっくりそのまま一度戻すことです。或いは現時点での名義預金残高の存在を名義人に伝え、贈与として相手のものにすることも解消法です。もちろんこの場合は110万円以上の残高があると贈与税の申告が必要となります。

 

7.名義預金はバレる?

 

お客様より「名義預金がバレるのですか?」と質問されることがあります。

 

答えはイエスです。

 

税務署はお亡くなりになった人の預金口座だけでなく、配偶者や親族、場合によっては孫の預金口座残高を調査します。

 

この際に、不相当に多い預金残高がある場合、税務署は「名義預金ではないか?」と考えます。例えば、被相続人(お亡くなりになった人)の預金残高が1000万円で、結婚後、ずっと専業主婦である配偶者の預金残高が1億円であれば税務署は名義預金ではないかと思うわけです。

 

6.こぼれ話

 

ここからは少し雑談のような話になりますが、へそくりって誰のものか考えたことありますか?お客様のご相談に乗っていると、しばしばへそくりの話になります。

 

このへそくり、実は名義預金になる可能性があります。

 

夫から渡された生活費を妻がやりくりして、その中から余った分をコツコツ貯めた。すごく立派なことですが、あくまでもそのお金を稼いだのは夫である以上、税務上は夫の財産になるのです。なんて冷たいの!と言われそうですが・・・

 

暦年贈与〜対象となる財産、注意点などを解説〜

1.暦年贈与とは


暦年贈与とは何でしょうか?まず、読み方ですが「れきねんぞうよ」と読みます。


次に、暦年とは1/1~12/31を指します。贈与とはその名の通り、贈り、与えることです。


つまり、暦年贈与とは「1/1~12/31までの期間」に「他の個人からもらった財産」の金額に応じて贈与税を支払う、通常の贈与の方法ということです。後述する1年当たりの非課税枠を利用して計画的に贈与を行うことで、相続税の節税を行うことができます。


この暦年贈与に対し、相続時精算課税制度を使った贈与の方法もありますが、相続時精算課税制度については次回以降、紹介していきます。

 

民法第549条~
ここで、民法上の言葉を借りて贈与の定義を説明すると、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をする事によって、その効力を生ずる。」と第549条で定められています。ちょっと難しいですね。

 

2.暦年贈与の対象となる財産


贈与税について「現金以外は贈与税の対象にならないですよね?」という質問をたまに受けます。答えはNOです。ちょっと難しい言葉ですが、経済的利益を受けた場合に贈与税が発生します。


経済的利益とは現金はもちろんのこと、例えば車を誰かからもらったとか、株券ももらったとかも贈与税の対象となります。簡単に言ってしまえば、自分が他人からもらって得をしたものに贈与税がかかります。


もちろん土地も暦年贈与の対象となる財産です。極端な話ですがその土地の評価額が110万円以下であれば贈与税の申告は不要です。

 

3.暦年贈与の対象とならないもの


何でもかんでも贈与税がかかるのかというとそうではありません。例えば、親や兄弟、祖父母といった扶養義務者から生活費や教育費に充てるためもらったお金は贈与税の対象となりません。


子供の学費が何千万かかろうとも、親が子供の教育費を支払った場合は贈与税の課税対象外です。

 

子供が私立大学医学部に進学して、年間の学費500万円を学校に支払ってもそれは扶養義務として当然のことであり、通常必要と認められる教育費には贈与税を課さないということです。

 

ただ、これには注意点があります。贈与税の課税対象とならない生活費や教育費は、必要な都度直接贈与を受けた財産であり、数年間分の生活費や教育費を一括して贈与を受けた場合に、余りが預貯金となっている場合などは、その生活費や教育費に充てられなかった部分は、贈与税の課税対象となります。

 

そして、通常必要と認められる以上の生活費も残念ながら贈与税の対象となりますからご注意ください。


その他にも入学祝い金や結婚祝い金、出産祝い金といったものも社会通念上、一般的な範囲内であれば贈与税は課税されません。こういうと「入学祝い金っていくらぐらいなら大丈夫なの?」と聞かれそうですが、残念ながら明確な基準はないのです。あくまで社会通念上、一般的な範囲内であれば問題ないです。

 

 

4.暦年贈与は子供や孫以外にはできないのか


以前、「孫にもお金をあげたいんだけど、贈与できませんよね?」とお客様から聞かれたことがあります。よくよく聞いてみると、そのお客様は贈与できる対象者は自分の子供だけと思っていたようです。


もちろん答えは「贈与は誰にでもできる!」です。極端な話、お隣さんにでも、お孫さんにでも、兄弟にでも誰にでも贈与はできます。


なお、税務上は配偶者も赤の他人です。奥さんだからといって、自分名義の株券を奥さんの名義に変更すると贈与税がかかりますのでご注意ください。

 

5.贈与税は財産をいくらもらうと発生するの?


暦年贈与には非課税枠があります。よく110万円までは贈与税がかからないと聞きませんか?まさに、その110万円が答えです。110万円までは贈与税がかかりません。

 

もう少し具体的にいえば、1/1~12/31までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額として110万円が差し引かれるのです。ですので、結果的に110万円までの財産は贈与税がかかりません。


ちなみに、この基礎控除は2001年改正前までは60万円でした。ですので、お客様で贈与税は非課税枠が60万円だと思っている方にいまだにお会いすることがあります。

 

6.贈与に契約書は必要か


結論からいうと契約書は必要ありません。それは民法上の規定からもわかります。

 

「1.暦年贈与とは」で紹介した民法上の規定に契約書が必要とは書いてありませんね。


しかし、個人的には契約書はあるに越したことはありません。こういうと「先生、誰も夫婦間で契約書なんか作ってないって!」と言われますが、夫婦間といえども税務上は他人です。反対に夫婦間だからこそ、親子間だからこそ、契約書を作ってしっかりと「あげた、もらった」の意思確認を残すことが重要だと思います。

 

7. 暦年贈与の注意点


「1.暦年贈与とは」で紹介した民法の条文のとおり、贈与とはあげた側ともらった側の双方間の認識が成立要件です。つまり、認知症の人の場合、認知能力がないので贈与がそもそも成立しないのです。ですので、お客様から「いつ贈与を始めるのがいいか?」と聞かれたら私は「今日からです」と答えています。


また、貰う側が未成年である場合は親権者が同意していることが必要となります。


その他、相続発生前3年間は暦年贈与しても結果的にお亡くなりになった方の財産に戻される(つまり、暦年増与はなかったものとされる)生前贈与加算という制度がありますので暦年贈与は思い立ったが吉日です。

 

8.贈与する日は毎年ずらすべきか

 

お客様から多い質問に「贈与する日は毎年ずらさないといけないとネットで見たんですけど・・・」というものがあります。これは定期贈与と見なされないための予防策としてのテクニックだと思います。


定期贈与とは「本当は1000万円を息子に贈与したい。だけど、110万円を超えると贈与税がかかるから10年にわけて100万円ずつ贈与しよう。忘れないように毎年息子の誕生日に贈与しよう。」といったものです。

 

この場合、税務署は始めから1000万円贈与する予定だったとみなし、贈与税を課税することが考えられます。

 

ここで大事なことは、贈与する日をずらすことではなく、本当はまとまったお金を渡したいけど贈与税逃れのために分割で贈与したことが問題である点です。

 

ですので、贈与する日はずらした方がいいというよりも、与える側と貰う側が毎年毎年、合意するということが大事です。

 

ただ、あくまで私見ですが贈与契約書まで作成するとなると、毎年全く同じ日に贈与を行うというのはなかなか難しいと思います。


それに李下に冠を正さずではないですが、税務職員に毎年同じ日に贈与があった場合、疑う人がいないとも言い切れませんので、あまり疑われる行為はやめた方がいいでしょう。

 

9.名義預金に注意


ここまで贈与について色々と書いてきました。繰り返しになりますが、贈与は双方間の意思が成立要件です。

 

つまり、片方がその存在を知らない場合は贈与が成立しません。よくあるケースは、おじいちゃんが孫のために内緒で孫名義の預金口座を作って、そこにお金を振り込んでいたというケースです。このケースは、名義預金についての回で後日紹介します。

 

10.暦年贈与にメス


 

ある日、業界紙を読んでいるとびっくりするニュースが飛び込んできました。それは暦年贈与が廃止されるという記事でした。この点については現在財務省が検討を進めるという段階ですが、もしかすると将来、暦年贈与がなくなるかもしれません。

 

この背景には生前贈与を利用した人としなかった人で相続税額に差がでるのはおかしいということがあるのではないでしょうか。


現在は相続税対策として暦年贈与をされる方が多いですが、贈与の本来的な趣旨は相続税の補完税の役割であるとされており、そういった意味で暦年課税が相続税対策となりすぎている現状に国がストップをかける可能性はあります。

相続税申告手続きを他事務所に外注する税理士がいることをご存知ですか?

相続税申告の手続きの対応を行なっております!と謳っていても、実態としては相続案件だけは作業が複雑なため、他の税理士事務所に外注するという税理士業界の実態があります。

 

これはインターネットを探しても、おそらく見つからない情報だと思います。

 

あなたがどこかの税理士事務所へ仮に相続案件の相談や依頼をしたとしても、その税理士事務所が下請けの税理士事務所へ発注している可能性があるということです。

 

もちろん、依頼者には正直にそんなことを言えるはずもありませんので、表向きは全て元請である、あなたが実際に相談している税理士が対応しています。

 

こういった場合、あなたにとって良いことは1つもありません。

 

なぜなら、中間マージンも含まれた依頼料・報酬になっていますので、本来払う必要のない費用まで請求されることになります。

 

そして、あなたが面談している税理士は、相続税のことを正しく理解しておらず、しかも経験も少ないため、曖昧にしか答えられないことも多々あることでしょう。

 

さらに下請けの税理士からすれば、自分たちで受けている案件ではないですし、依頼者とも直接お会いするわけでもありません。そのため、取り組む際のモチベーションも当然ながら上がりません。要は、案件に対する本気度が低くなってしまいがちで、親身に依頼者の立場にたち対応することができず、事務的な対応になりがちです。

 

本気度が低ければ、本来は節税できたかもしれない相続の対策が抜け落ちたり、提案すべきことを提案していないなどといった懸念もあります。

 

法的に問題ない最低限の書類作成さえすれば、下請け業者である税理士にはしっかりとマージンが入ってくるのですから。

 

笘原拓人税理士事務所は当然のことながら、事務所に相続税の専門チームがありますので、下請け業者の税理士に外注することはまずありませんので、私たち自身が責任を持って対応致しますのでご安心ください。

 

親身になって最適な方法をアドバイスさせていただきます。

 

 

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