生前に保険金の受取人を見直したことで、保険金に係る相続税が非課税となった事例

基本情報
| 被相続人 | 父 |
| 相続人 | 長女、次女 |
| 相続財産 | 数億円 |
相談時の状況は?
将来のお父様の相続について、娘様からご相談をお受けしました。
お話を伺う中で、お父様がご結婚前に締結した保険契約の死亡保険金の受取人がお父様のご兄弟になったままであり、このままでは保険金に係る相続税の非課税の適用ができず、さらに2割加算の対象となることが発覚しました。
相談への対応
被相続人の死亡によって取得した生命保険金等で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは、相続等により取得したとみなされて、相続税の課税対象となります。
この死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。)である場合、一定金額までは相続税がかかりません。具体的には、すべての相続人が受け取った保険金の合計額が次の算式によって計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象になります。
500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額
ここで注意したいのが、相続人以外の人が取得した死亡保険金には、非課税の適用はないという点です。
今回のケースではお父様のご兄弟は法定相続人ではありませんので、このまま死亡保険金を受け取ると、その全額が相続税の課税対象となります。
また、財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含みます。)および配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。
今回のケースではお父様のご兄弟は一親等の血族ではないので2割加算の対象にもなります。
そこで、お父様の相続が発生する前に受取人を娘様に変更されるようアドバイスさせて頂きました。
No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
参考サイト(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm
No.4157 相続税額の2割加算
参考サイト(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157.htm
対応による結果
死亡保険金1千万円を相続税の非課税を適用することで、課税価格を1千万円減額することができました。
節税額の詳細
| 当初の計算 | 笘原拓人税理士事務所の計算 | |
| 課税価格 | 10,000千円 | 0円 |
| 相続税額 | △2,000千円 |
当事務所にご依頼いただいたことで、△2,000千円の節税!
今回の対応のポイント
死亡保険金は相続開始時点の保険契約上の受取人に対して支払われるため、婚姻、出産等家族構成に変化が生じた際は、相続が発生する前に受取人を見直す必要があります。
相続税の計算においても、相続人が死亡保険金を受け取ることで死亡保険金の非課税を適用し、2割加算も回避し得るため、生前に受取人が誰なのかを確認し、適正に変更の手続きをすることが非常に重要です。
また、死亡保険金と生前の入院給付金を同時に請求する場合もあるかと思います。
この場合、入院給付金は下記のように相続税の課税対象になるケースとならないケースがあります。
※課税対象となるケースでも、みなし相続財産となる生命保険金とは異なり、非課税枠の適用はありません。
①入院給付金の受取人が被相続人の場合
入院給付金は被相続人が受け取るはずであった財産であり、相続税の課税対象となります。
②入院給付金の受取人が被相続人以外の場合
入院給付金を受け取る権利は当初から受取人のものであり、被相続人の財産とはみなされないため、相続税の課税対象とはなりません。
医療保険のほとんどは、入院給付金の受取人は被保険者本人に指定されていますが、中には被保険者以外の方が受取人となっているものもありますので、死亡保険金と合わせて相続発生前にご確認することをお勧めします。
名古屋市中区 笘原拓人税理士事務所 相続税専門チーム


