親子で預金の入出金が錯綜する中、預金の動きを1つ1つ紐解き期限内申告が実現した事例

基本情報

 

被相続人
相続人 長男、長女
相続財産 数億円

 

相談時の状況は?

お父様は生前、ご長男家族と同居されており、長年にわたり親子で生活費を共有されていました。
基本的にはお父様がご自身の口座だけではなく、ご長男様の口座も管理され、お父様とご長男様の口座間で頻繁に入出金がありましたが、その入出金の動きについてご長男様は正確に把握されていない状況でした。
かつ、お父様はご長男様の資産運用も行っていました。

 

相談への対応

通常の相続税申告では、過去5年分の通帳を確認しますが、今回のケースではお父様とご長男様の全ての預金口座について、過去およそ20年分の親子間の入出金や原資不明の入出金を整理、確認、突合し、「生活費」・「贈与」・「貸し借り」・「名義預金」と整理して、「被相続人の固有預金」と「相続人の固有預金」に整理しました。

 

対応による結果

整理した入出金のうち、その貸し借りを整理して最終的に「預け金(被相続人からみた貸し借りの貸付超過額)」と認められたものは相続財産として適切に相続税申告を行い、税務上のリスクを解消しました。

 

今回の対応のポイント

同居されている親族間で、生活費のやり取りや口座間の入出金が頻繁にあるケースは非常に多いです。
しかし、いざ相続が発生した際に、どれが生活費(精算済み)で、どれが名義預金、どのくらいが被相続人の固有預金なのか、どのくらいが相続人の固有預金なのか、貸し借りなのか、贈与なのかの区別がつかなくなり、相続税申告の実務で大きな負担が生じたり、税務調査での指摘リスクが発生します。

 

このような状況を防ぎ、将来の相続税申告をスムーズにするためには、生前から以下のような点に注意することが有効です。

 

● 記録を残す

通帳にメモ等を残し、何のための入出金かが第三者(税務署)にも一目でわかる状態にしておく。
あまりにも動きが多い場合には資金異動の整理表をまとめる必要があります。

 

● 名義預金と疑われないための口座管理

通帳・印鑑・カードの管理権を本来の名義人に戻し、自由に使える状態にしておく。

 

● 贈与を行う場合は贈与契約書を作成する

生活費の範囲を超えて、まとまった資金移動を行う場合は、口頭ではなく必ず贈与契約書を作成し、双方の意思による贈与であることを書面で証明できるようにしておく。

 

税務署は相続が発生すると、被相続人だけでなく、同居されていたご家族の口座についても、取引履歴を細かくチェックする場合があります。資金の動きを疎明できないと本当は相続人の固有預金だとしても税務署から被相続人の固有預金で相続財産の計上モレという修正申告を勧奨されてしまうリスクがあります。
また、相続人名義の多額の預金がある、物はありますので、反証疎明ができないため、最終的に税務署のストーリーで更正されてしまう可能性もあります。
第三者(税務署)に見られても堂々と説明できるか?という視点を持って、日々の収支を透明化していくことが、将来の相続税申告における最大の防衛策であり、ご家族の負担を減らすことにつながります。

 

名古屋市中区 笘原拓人税理士事務所 相続税専門チーム

 

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