事業承継時に必要な特例承継計画書作成の料金

新事業承継税制の特例措置の適用に必要な特例承継計画書の作成を45万円(税別)から行います。特例措置適用の許可は、経済産業省より、認定経営革新等支援機関に認定された専門家が担当します。特例承継計画書の作成サービスには、特例措置の適用可否の調査、株価(評価額)計算、事業承継税制対策、特例措置適用時の相続・贈与税の計算などの業務が含まれます。

 

 

また、平成30年より事業承継制度は一部改定されました。

参考非上場株式の納税猶予の改正点-特例・一般措置の違い【平成30年】

 

新しく施行された事業承継税制の特例措置の適用を受けるためには、期限までに特例承継計画を都道府県知事に提出する必要があります。

 

特例承継計画の作成は、認定経営革新等支援機関の支援が必要です。

 

認定経営革新等支援機関とは、支援機関として一定以上の知識を持った専門家が認定される制度で、当事務所は認定経営革新等支援機関に認定されています。また、特例措置の適用を受けるためには、令和5年3月31日までに特例承継計画の提出をしなければなりません。

 

料金表

 

1.非上場株式等についての贈与税の納税猶予の場合

(1)特例承継計画の確認申請書の作成及び申請(贈与の実行前)


45万円~

  ・株価計算

  ・先代経営者の相続税の簡易試算と特例措置の節税効果の試算

  ・株価引き下げ対策の提案

  ・民法特例・遺留分の除外合意・固定合意の検討

  ・特例承継計画書の作成

  ・特例承継計画の申請提出

(2)特例の認定申請(贈与の実行後)

30万円

  ・特例贈与認定申請書の作成及び申請提出

  ・贈与税の申告書の作成及び提出

(3)民法特例・遺留分の除外合意の申請(オプション)

50万円

  ・民法特例・遺留分の除外合意の申請書の作成及び申請提出

  ・公正証書遺言作成の支援

(4)毎年、贈与から5年間、都道府県知事へ提出する年次報告  書及び税務署へ提出する継続届出書の作成及び提出

  毎年提出時



10万円

2.非上場株式等についての相続税の納税猶予の場合

(1)特例承継計画の確認申請書の作成及び申請(相続開始後)

45万円~

  ・株価計算

  ・先代経営者の相続税の簡易試算と特例措置の節税効果の試算

  ・株価引き下げ対策の提案

  ・民法特例・遺留分の除外合意・固定合意の検討

  ・特例承継計画書の作成

  ・特例承継計画の申請提出

(2)特例の認定申請(相続開始後8ヶ月以内の申請が必要)

30万円

  ・特例贈与認定申請書の作成及び申請提出

(3)相続税の申告書の作成及び提出

  相続税の申告書の報酬は次の金額になります。

・土地の評価額 ×0.9%

・土地以外の評価額 ×0.5%

(4)毎年、相続から5年間、都道府県知事へ提出する年次報告  書及び税務署へ提出する継続届出書の作成及び提出

  毎年提出時



10万円

 

参考非上場株式の相続対策方法と具体的措置

特例措置の申請~採択~報告までの流れ

1.特例承継計画の策定・提出・確認

(提出期限令和5年3月31日)

 

2.贈与または相続

 

3.都道府県知事の円滑化法の認定

(提出期限 贈与の場合:1月15日、相続の場合:相続開始を知った翌日から8ヶ月以内)

 

4.税務署への贈与税または相続税の申告

(申告期限 贈与の場合:3月15日、相続の場合:相続開始を知った翌日から10ヶ月以内)

 

5.特例経営承継期間内(5年間)

・株式の保有継続

・後継者の代表権の継続

・毎年、税務署への継続届出書の提出

・毎年、都道府県知事への書類の提出

 

6.特例経営承継期間経過後(5年後以降)

・株式の保有継続

・3年ごとの税務署への継続届出書の提出

 

7.納付の免除または猶予打ち切りで税額納付

・免除要件に該当した場合は、納付の全部または一部の免除

・確定事由に該当した場合は、猶予打ち切りで猶予されていた税額と利子税をあわせて納付

 

参考事業承継税制の適用取り消し時における利子税額計算方法

 

※免除要件は贈与、相続によって異なります。

※免除要件に該当するまでに確定事由にも該当していない場合は猶予が継続されます。

※途中特例経営承継期間内に確定事由に該当した場合も猶予打ち切りとなります。

※免除要件は先代経営者の死亡や後継者の死亡など、いつ生じるか分からない要素が含まれてきます。事業承継税制は長く継続していく制度であることをご理解ください。

認定経営革新等支援機関の税理士事務所で無料相談可能

事業承継税制で、特例措置の要件を受ける場合、認定経営革新等支援機関の関与がかかせません。

 

特例措置の適用を受けるためには、特例承継計画を作成する必要があり、この特例承継計画の作成には認定経営革新等支援機関の所見を記載する必要があります。

 

認定経営革新等支援機関は、中小企業を支援するために専門家として認定を受けた機関のことで、もちろん当事務所も認定経営革新等支援機関の認定を受けております。

 

事業承継税制は、長年にわたって継続していく制度ですので、きちんと計画し実行していくことが重要になってきます。また、制度内容は複雑で理解が難しい部分がありますので、ご検討の際は、ぜひ専門家へご相談してください。

 

特例措置の認定を受けるための、特例承継計画の作成から、申告書の作成、提出、毎年の継続届出書の提出、納税猶予の免除を受けるための免除申請書の提出まで、一貫してご相談ご依頼に対応することが可能です。

 

 

ただいま無料相談実施中ですので、お気軽にご相談てください。

非上場株式の相続対策方法

非上場株式の相続対策として、大きく相続税評価を引き上げる対策と、事業承継税制などの相続税を軽減する制度を活用することによる相続対策があります。企業の状況を適切に把握し、適切な相続評価方式をとることが相続対策の第一歩です。

 

同族株主等の株式評価方法

 

有限会社の場合は有限会社の相続財産と手順【株式が相続財産になる】をご確認ください。

 

1.相続税評価の引き下げによる相続対策

非上場株式の相続対策として、大きく相続税評価を引き上げる対策と、事業承継税制などの相続税を軽減する制度を活用することによる相続対策があります。そのうち、相続税評価を引き上げる対策としては、「類似業種比準価額方式」を採用する方法と、「純資産評額方式」を採用する方法があります。

非上場株式の相続対策

参考非上場株価の調べ方-非上場株式の評価方法と計算方法-

 

類似業種比準価額方式による相続税引き下げ対策

類似業種比準価額方式では、業種が類似している上場企業の株式の価額を参考に、非上場企業の1株当たりの評価額を決定します。

 

本来、株式の価値は、資産から負債を引いた純資産を株式数で割って、算定します。しかし、純資産の額を基に行うと、実際よりも高く評価されてしまいます。

 

「類似業種比準価額方式」を使用すれば、実態に見合った株式の評価ができるため、結果的に相続税を引き下げることになるのです。比較される(事業内容が似ている)上場企業を「類似業種」、評価する非上場企業を「評価会社」といいます。

 

ただし、比較される上場企業が評価会社の事業内容と類似していたとしても、単純に株式が同額だとすることは、実際の株価を表すことにはありません。一般的に、非上場株式の評価額は、同じ業種、事業内容の上場企業の株式と比べて、低いと考えられます。

 

非上場株式を相続する際には、事業内容が似ている上場企業の株式の価額を参考にした上で、株価、配当、利益、純資産の4つの要素を考慮して、実際の価額に近い株価を算定する必要があります。

具体的には、非上場企業に事業内容が似ている上場企業の株価を基本にして、さらに非上場企業とそれに事業内容が似ている上場企業の配当、利益、純資産の3つの要素を加味して、非上場株式の価額(時価)を決定する方法です。

 

非上場株式の価額(時価)の決定

 

そして、出された非上場株式の価額(時価)に、非上場企業の規模に応じた調整率をかけて、最終的な株価を決めるのです。調整額は、70%、60%、50%の3種類です。なお、評価会社の株式の価額を決める要素、株価、配当、利益、純資産は、毎月国税庁から発表されています。(引用:類似業種比準価額|国税庁

 

1-1.純資産価額方式による相続税引き下げ対策

純資産価額方式は、純資産を株式の数で割って株価を算定する方法です。会社の規模が小さくなれば純資産は一般的に低額になります。類似業種比準方式は、主に大企業を対象とした評価方式である一方、純資産評価方式は中小規模で用いられます。中小企業が多い非上場株式会社では、純資産額の少なさが評価額に関係する純資産価額方式の方が相続税の引き下げ対策になります。

 

純資産評価方式は相続時に評価会社が解散したとしたら1株当たりいくらになるか、という観点で計算します。言い換えれば、相続時の会社の純資産はいくらになるのかということです。

 

一般的に、会社が倒産した時点で会社が持っている資産と負債を清算することになります。具体的な清算方法としては、会社が所有する資産を時価で評価して計算し、現金化することになります。ただし、清算している段階で、売却益が出たときには、税金(法人税など)が課されることになります。

 

その後、会社の最終的な資産と負債を確定させ、株主に配当し、解散することになります。つまり、評価会社が解散した場合、会社の全ての株価は、評価会社を時価で売却して得ることができた利益と同じ金額になります。

 

純資産評価方式による算式
株式評価計算式1

 

2.相続税軽減制度の利用による相続税対策

相続税対策として、相続税軽減制度を利用する方法があります。

 

2-1.非上場株式における相続税の納税猶予及び免除の特例を利用した相続対策

非上場株式における相続税の猶予及び特例(「特例措置」と「一般措置」)を利用すれば、有効な相続税対策となります。特例措置については、平成30年1月1日から令和9年12月31日までの制度です。

 

参考非上場株式の納税猶予の改正点-特例・一般措置の違い【平成30年】

 

特例措置の適用条件は、円滑法(正式には「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」)に基づいて、中小企業の後継者として都道府県知事から認定を受けた人(相続人、受遺者など)が、被相続人から株式を引き継いだ場合です。

 

具体的な優遇措置としては、相続人などが会社の経営を行う場合、譲り受けた非上場の株式や出資に係る課税価格に対応する相続税の納税が猶予されるというものです。また、受け継いだ人が亡くなった場合にでも、全部または一部が免除されることになります。

 

さらに、亡くなった人から非上場株式を相続などで受け継いだ場合でも、一定の条件はあるものの、この特例措置を受けることができるのです。ただ、免除される前に、その非上場株式を他に譲渡するなどした場合には、納税の猶予は打ち切られ、対象の税額と利子を納めなければなりません。

猶予される税額は、非上場株式を譲り受けた人が亡くなった場合、その全部または一部が免除されます。さらに、亡くなった人から非上場株式を相続などで受け継いだ場合でも、一定の条件はあるものの、この特例措置を受けることができます。

 

ただし、こちらも特例措置と同じく、免除される前に、その非上場株式を他に譲渡するなどした場合には、納税の猶予は打ち切られ、対象の税額と利子を納めなければなりません。

参考事業承継税制の適用取り消し時における利子税額計算方法

 

 

 

特例措置

一般措置

事前の計画策定等

5年以内の特例承継計画の提出

【平成30年4月1日から令和5年3月31日まで】

不要

適用期限

10年以内の相続等・贈与

【平成30年1月1日から令和9年12月31日まで】

なし

対象株数(注1)

全株式

総株式数の最大3分の2まで

納税猶予割合

100%

相続等: 80%、贈与:100%

承継パターン

複数の株主から最大3人の後継者

複数の株主から1人の後継者

雇用確保要件

弾力化(注2)

承継後5年間

平均8割の雇用維持が必要

事業の継続が困難な事由が生じた場合の免除

譲渡対価の額等に基づき再計算した猶予税額を納付し、従前の猶予税額との差額を免除

なし

(猶予税額を納付)

相続時精算課税の適用

60歳以上の贈与者から20歳以上の者への贈与

(租税特別措置法第70条の2の7等)

60歳以上の贈与者から20歳以上の推定相続人(直系卑属)・孫への贈与

(相続税法第21条の9・租税特別措置法第70条の2の6)

(注)

  1. 議決権に制限のない株式等に限ります。
  2. 雇用確保要件を満たさなかった場合には、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則第20条第3項に基づき、要件を満たさなかった理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要があります。

 なお、当該報告書及び確認書の写しは、継続届出書の添付書類とされています。

(引用:非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例等|国税庁

 

2-2.相続時精算課税制度の利用による相続税引き下げ対策

相続税の節税対策として、「相続時精算課税制度」があり、文字どおり「相続時に税額を精算する」もので、贈与税と相続税を併せたものです。

 

贈与による節税対策として、相続人に財産を贈与する生前贈与があります。この場合、同じ相続人に対して1年に110万円を超えると、贈与税がかかりますから、大幅に被相続人の財産を減らすことができず、あまり節税対策として効果が望めません。

 

しかし、「相続時精算課税制度」では、被相続人が亡くなった後で、生前贈与した相続財産に加えられるという仕組みです。親から子どもへ生前贈与した財産に贈与税がかかります。

ただし、贈与税は、一律20%に軽減され、相続税の「仮払い」となります。その後、被相続人が亡くなり、相続手続きを行う際に、贈与した財産も含めて相続税の計算を行います。ただその際には、「仮払い」していた「贈与税」を控除することができます。

 

この制度の最大のメリットは、贈与の際に2,500万円の特別控除があることです。つまり、被相続人から相続人に生前贈与された財産が2,500万円まで非課税ということになります。この非課税枠は、合計で2,500万円に達するまで、何年にも渡って利用することができるのです。

この制度は、非上場株式を持つ親から子どもに生前贈与された場合にも、適用されることになります。ただ、この制度には、贈与する親が65歳以上であること、贈与される子どもが20歳以上であるこという要件があります。

 

土地を貸家建付地とする相続税対策

土地活用による相続税対策は、アパート建設により相続する土地を貸家建付地にする方法があります。

土地を貸家建付地にするために、遊休地や自宅の敷地にアパートを建設する事例が多いです。地主が自由に使用できる「自用地」が、アパートを建てたことで「貸家建付地」となり、評価額が下がることになります。

土地の有効活用を行いたいが、アパートを建設するなどの資金が十分にない場合には、「等価交換方式」という方法があります。

 

等価交換方式とは、地主は土地を提供し、土地開発業者は建物を出資して、建物を建設する方式のことです。土地の一部と建物の一部を同じ価格(等価)になるように交換します。

 

土地の譲渡については、通常「譲渡所得税」が課税されますが、一定の条件を満たす場合には、特例が適用され、課税の繰り延べを受けることが可能となります。

非上場株式を相続する際の手続き

非上場株式を相続するには、相続人を決めなければなりません。会社の定款に、株式の譲渡制限を規定していても、相続には該当しません。会社の承認を得る必要はなく、株式を相続する人を決めることができます。

 

もし、被相続人が所有する株式の数がわからないならば、相続の手続きを行う前に、その点をはっきりさせなければなりません。もしわからなければ、会社にある株主名簿を入手して、被相続人が所有する株式の数を確認することになります。

 

相続人が決まった後は、相続人が会社に株主名簿の「名義書換請求」を行います。請求の際には、株主名簿記載変更書、戸籍謄本(被相続人と相続人の関係を証明できるもの)、相続人の印鑑証明書、遺産分割協議書、株券(発行されている場合)などを添えて、手続きを行います。

 

非上場株式を相続する手続き方法-株式評価から株主名簿の書き換えまでの流れ-」に 詳しい手順を記載しています。

非上場株式の相続対策時の注意

非上場株式に係る相続対策は、特に中小企業の後継者を保護するという観点から、法律や制度がここ数年で整備されました。制度を上手く活用すれば、現在の経営者の相続人に相続税の負担を負わせることなく、後継者へスムーズにバトンタッチすることができます。

 

ただ、相続税が免除、あるいは軽減される制度であることから、制度を利用するには、一定の要件をクリアしなければなりません。相続の減税の要件を満たさないなどのリスクを伴うことを十分理解した上で制度を利用する必要があります。

条件にあった非上場株式の相続対策を行います

非上場株式会社である中小企業の後継者不足が社会問題となっています。後継者が会社を承継する際に課税される相続税が事業を承継するための足枷となっています。

 

そこで、日本政府は事業を後世に残すために非上場株式等に関する納税猶予の特例を設けて、相続のハードルを下げる制度へ改正を何度も行っています。

 

ただ、一言で非上場企業と言っても、事業形態や内容が様々ですから、どの特例の条件に当てはまるのか、十分に吟味し、検討する必要があります。非上場株式の相続対策について、支援を行っている専門家に相談して、的確なアドバイスをもらう必要があります。

 

 

著者情報 笘原拓人

税理士(簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法合格)
事業承継など18年の実務経験あり。
平成23年に設立した笘原拓人税理士事務所は 東海財務局・中部経済産業局より経営革新等支援機関に認定。
平成27年6月中部経済新聞社 「税理士~夢ある起業家を積極支援~」というテーマで取材掲載
大原簿記情報医療専門学校 
名古屋校 法人税 
元非常勤講師(日曜日のみ)

    名古屋税理士会所属 登録番号118577

 

    行政書士 愛知県行政書士会所属 登録番号11192109

非上場株式の納税猶予の改正点-平成30年施行の特例措置の要件

平成30年1月1日に改正された非上場株式における納税猶予の特例措置(特例事業承継税制)は、事業承継の円滑化を目的とした納税猶予・免除要件を改正以前より緩和する制度です。

非上場株式における納税猶予に関する主な改正点は、相続時の対象株式にかかる相続税全額が納税猶予の対象になる点、複数人の株主から複数人への承継も納税猶予対象となる点、譲渡・解散などの承継以外の条件における減免適用が可能な点などです。

 

また、事業承継制度について詳しく知りたい方は事業承継税制とはをご確認ください。

 

 

特例措置

一般措置

適用対象となる株数

全株式が対象

総株式数の最大3分の2までが対象

納税が猶予される割合

100%

贈与の場合100%

相続の場合80%

後継者への承継パターン

複数の株主から最大3人の後継者

複数の株主から1人の後継者

雇用の確保要件

事実上の撤廃

承継後5年間で平均8割の雇用の維持が必要

事業の継続が困難な事由が生じた場合の免除

免除あり

免除なし

相続時精算課税制度の適用対象

直系卑属以外の者への後継者でも適用対象

直系卑属のみへの贈与が対象

 

事業承継税制は、一般措置と特例措置の2つの制度があり、事前に特例承継計画の提出をすることで、特例措置の適用を受けることができます。

特例措置の適用期限と特例承継計画の提出について

 

特例措置は期限が設けられており、事前の特例承継計画の提出は、平成30年4月1日から令和5年3月31日までの5年間となっており、適用期限は、平成30年1月1日から令和9年12月31日までとなっています。

 

特例措置の適用を受けるためには、令和5年3月31日までに特例承継計画を策定し、都道府県知事に提出する必要があります。

 

有限会社を相続される場合は、有限会社の相続財産と手順【株式が相続財産になる】をご確認ください。 

 

参考特例経営承継期間(特例経営贈与承継期間)を分かりやすく解説

 

1.相続・贈与税の猶予・免除対象株式数が全株式に改正

 

相続・贈与税の猶予・免除対象

 

特例措置では、相続・贈与税の納税猶予および免除対象となる株式数が全株式となりました。

 

事業承継税制は、先代経営者から後継者への事業承継において、株式の贈与または相続にかかる納税を一定期間猶予すること、また条件によっては全部または一部を免除することができる制度となっています。

 

納税を猶予することや免除することによって、中小企業の事業承継にかかる贈与や相続の税負担を軽くし、より制度の利用を通じてスムーズな事業承継につなげていくことを狙いとしたものです。

 

事業承継税制は、先代経営者から後継者へ株式を譲渡する際の税金を軽減する制度なので、総株式数のうち、いくつの株式数が適用対象となるのかは、事業承継税制にとって一番重要な問題になります。

 

そして、納税の猶予や免除の対象となる株式数が、特例措置では全株式となりました。一般措置では、納税の猶予や免除の対象となる株式数は総株式数の最大3分の2までとなっています。

 

全株式が対象となるのか、総株式数の3分の2が対象となるのかでは、猶予される金額にも違いが生じます。特に株式の評価額が大きく、株数が多くなればなるほど、猶予金額にも違いが生じてきますので、特例措置の方が、より有利な条件となっているのです。

 

全株式を対象としたものが特例措置で、最大3分の2までを対象としたものが一般措置となります。

 

2.納税猶予割合が80%から100%に改正

 

納税猶予割合の違い

 

特例措置では、納税が猶予される割合も引き上げられ、80%から100%となっています。

 

納税猶予割合とは、贈与税や相続税の納税が猶予できる金額の割合のことを言います。

 

先代経営者から後継者へ事業を引き継ぐときに、贈与税や相続税の問題は避けて通れません。贈与税や相続税の税負担がネックになり、なかなか事業承継が進まないという現状もあります。ですので、事業承継税制では、円滑に事業承継ができるよう贈与税や相続税の税負担の猶予や免除制度を利用できるようにしています。

 

特例措置の場合、納税猶予割合が100%ですので、特例措置を利用すると、事業承継で引き継ぐ会社の全株式が適用対象となりますし、株式にかかってくる納税額の全部が納税猶予の対象となります。

 

これに対し、一般措置の場合、納税猶予割合は、贈与の場合は100%となっていますが、相続の場合は80%となっています。

 

一般措置の場合、適用対象となる株式は、総株式数の最大3分の2までです。

 

たとえば、納税猶予割合は贈与の場合、特例措置と同じく100%なのですが、適用対象となる株式数が最大3分の2までですので、この3分の2に対しての100%ということで約66%の部分しか納税猶予の対象となりません。

 

また、相続の場合は、納税猶予割合は80%ですので、総株式数の3分の2の80%ということになり、納税猶予の対象は約53%と半分近くになってしまいます。特例措置であれば、贈与・相続ともに100%が納税猶予の対象となりますが、一般措置の場合は贈与約66%、相続約53%と違いが際立ってきます。

 

そういう意味でも特例措置の方がより有利な制度になっています。

 

参考非上場株価の調べ方-非上場株式の評価方法と計算方法-

 

3.後継者3人までの承継パターンに適用可能

 

後継者への継承パターンの違い

 

納税猶予が適用できる後継者の数が、一般措置では1人だけでしたが、特例措置では最大3人までとなりました。

 

複数の後継者への贈与や相続に対して、納税の猶予が適用されることによって、会社のそれぞれの事情に応じた承継パターンが可能となります。

 

また、特例経営承継期間内であれば代表者以外の複数の株主からの贈与や相続も納税猶予の対象となっています。(※複数の株主からの承継できるのは特例も一般も同じです)

 

これにより複数の株主から複数の後継者への承継も可能となり、より会社の内情にあわせた形で承継を構想することができるようになりました。

 

一般措置の場合、1人の後継者のみが納税猶予の対象となりますので、家族経営している会社や兄弟で共同経営している場合など、誰が猶予を受けるかという問題が生じてしまいます。また、納税金額が大きくなると負担も大きくなるので、1人に集約せざるを得ない事情もでてきました。

 

ですが、特例措置では、最大3人までの後継者が納税猶予の対象となりますので、後継者が複数いる会社や家族経営の会社などにとっては、より利用しやすくなりました。

 

4.事業承継後5年間の平均雇用8割以上の要件が撤廃

 

事業承継税制では、承継後の5年間で平均8割の雇用を維持できていないと、従来は納税猶予の打ち切りでしたが、報告書を提出することで猶予が継続されることになりました。

納税猶予の条件の撤廃

 

承継後の5年間に平均8割の雇用を維持することは、非常にハードルが高く、事業承継税制を利用する際の最大のネックでした。雇用の8割が継続できないと、猶予されていた納税が打ち切りになり、利子税とあわせて納税する必要があります。

 

5年後というのは、経済情勢や業界事情も変化しますので、会社にとって予測が難しい面があるため、雇用条件を維持できるかという問題が事業承継税制の利用を躊躇してしまう面がありました。

 

これが、特例措置の場合、承継後の5年間の平均が8割を下回った場合、下回った理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出し、確認を受けることとされました。報告書および確認書の写しを継続届出書に添付することで、納税猶予は継続されることになります。

 

なお、都道府県知事に提出する報告書には、認定経営革新等支援機関の意見が記載されている必要があります。また、笘原拓人税理士事務所は認定経営革新等支援機関のため、報告書の作成対応が可能です。

 

雇用が8割を下回ったとしても、ただちに猶予が打ち切りになるわけではなく、報告書を提出することで猶予が継続されるわけですので、事実上雇用維持要件は撤廃されたとも言えます。

 

一般措置の場合、従来通り承継後の5年間平均8割の雇用維持が必要となってきますので、非常にハードルが高くなっています。

 

特例措置は、事実上雇用維持要件が撤廃された形となっており、より利用がしやすくなった形となります。

 

5.事業継続困難時の納税免除が一部適用

 

特例経営承継期間経過後に、事業の継続が困難な一定の事由が生じた場合で、会社について、譲渡や解散をした場合に猶予されていた納税の納付が一部免除されます。

 

事業の継続が困難な一定の事由とは、以下の場合が該当します。

  1. 過去3年間のうち2年以上赤字が続いた場合
  2. 過去3年間のうち2年以上売上減が続いた場合
  3. 売上高の6ヶ月分に相当する額以上の有利子負債の額があった場合
  4. 類似業種の上場企業の株価が前年の株価を下回る場合
  5. 後継者が心身の故障等により事業の継続が困難になった場合(譲渡・合併のみ)

 

上記に該当し事業の継続が困難になった場合で、株式を譲渡等した場合、その対価の額を基準として税額を再計算します。

 

再計算した税額と、直前の配当の金額との合計額が、当初の納税猶予税額を下回った場合、その差額が免除されることになります。

 

ただし、再計算してでてきた税額については、納付する必要があります。

 

6.子や孫などの直系卑属以外の相続時に精算課税を適用可能

 

相続時精算課税制度の適用の違い

 

特例措置では、子や孫などの直系卑属以外の者への贈与に対しても、相続時精算課税制度が適用されることになりました。

 

直系卑属とは、直接の身分関係にある子や孫のことを言い、被相続人から見た法定相続人が該当します。先代経営者から見ると、先代経営者と身分関係にある子や孫が対象となります。(※養子縁組をしている子も含む)

 

一般措置では、相続時精算課税制度を適用できるのは、直系卑属のみとなっていますので、先代経営者から見た子や孫だけが対象となっていました。

 

これが特例措置では、直系卑属以外の者でも適用可能となったのです。

 

ですので、特例措置を利用すると、先代経営者の直接の子どもや孫以外の後継者へ事業承継する場合でも、相続時精算課税制度を利用できるようになり税負担が軽くなりました。

 

相続時精算課税制度とは、贈与税の課税に関する計算方法のことです。相続時精算課税制度が利用できない場合、贈与は暦年課税制度を利用することになります。

 

通常、生前贈与する場合、贈与税の控除額は毎年110万円となっています。贈与額から控除額の110万円を差し引き、残額に対して累進税率を掛けた金額が贈与税額となります。累進税率は、金額によって違い、金額が大きくなればなるほど、税率も高くなっていきます。

 

これに対し、相続時精算課税制度は、控除額が2500万円あり、税率も20%と一定になっています。もちろん利用できる条件が定められていて、通常は60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子・孫への贈与に適用される制度となっています。

 

この相続時精算課税制度が事業承継税制でも利用できるようになったのです。

 

実は、相続時精算課税制度は、一般措置と特例措置のどちらでも利用できるのですが、利用できる条件に少し違いがあります。

 

一般措置の場合は、先代経営者が60歳以上で、後継者が20歳以上かつ先代経営者の推定相続人である直系卑属の者に限られます。特例措置の場合、先代経営者が60歳以上で、後継者が20歳以上の者であればいいことになっています。

 

後継者が直接の身分関係にある子や孫でない場合でも、相続時精算課税制度が利用できるようになり、2500万円の控除の利用や、税率の一定など、納税額にも大きな差が出てきます。

 

事業承継税制は、納税を猶予し、一定の条件のもと免除する制度ですが、途中確定事由に該当した場合、猶予の取り消しがあります猶予の取り消しがあった場合、猶予されていた分と利子税をあわせて納税する必要がありますので、実際の納税額がいくらになるのかはとても重要な問題になります。

 

事業承継税制の利用を検討する際にも、もし猶予が取り消された場合に納める納税額がいくらになるのかを計算しておく必要があります。そのときに、相続時精算課税制度が利用できるのか、できないのかでは大きく納税額が変わってきますので、事業承継税制の利用を躊躇する一因になっていることもありました。

 

特例措置の場合、後継者が直系卑属以外の者でもいいことになりましたので、これにより後継者選びのパターンにも幅が増え、より事業承継税制の利用がしやすくなりました。

非上場株式の納税猶予の特例措置・一般措置の違い

事業承継税制とは、非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予および免除制度と言い、もともと制度自体は前からありました。

 

ただ、事業承継税制は、長年にわたって利用しなければいけない制度です。雇用維持要件などの条件も厳しく、打ち切りになった場合、利子税もあわせて納付する必要がありますので、利用件数が十分ではありませんでした。

 

そこで、期間限定ですが、利用の要件をより緩和した事業承継税制の特例を創設することで、利用を促進する形になっています。一般措置では厳しかった条件も、特例措置ではより緩和され、納税が猶予される株式も全株式が対象となるなど、納税および免除される金額も大幅に増えた形となっています。

 

ただし、特例措置は、期間限定で、適用期限は令和9年12月31日までとなっています。また、特例措置の利用には、事前の特例承継計画の提出が必要で、提出は令和5年3月31日までとなっています。

 

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特例措置の利用を検討する場合は、期限にも注意して検討するようにしましょう。

非上場株式納税猶予の特例措置認可の手続き

非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予および免除の制度を利用するには、決められた順番に従って手続きを行う必要があります。

 

また、手続きには、「一般措置」と「特例措置」の違い、「贈与」と「相続」の違いがあります。

 

このページでは「特例措置」の手続きについて順番に記載していきますが、「贈与」と「相続」にも違いがあることに注意してください。

非上場株式納税猶予の特例措置認可の手続き

1.特例事業承継計画の策定

事業承継税制の特例措置を受けるためには、特例承継計画を提出する必要があります。

 

特例承継計画は、会社の後継者や承継時までの経営に関する内容を記載した書面となります。事業承継税制を利用する場合、まず特例承継計画を策定し、都道府県知事に提出し確認を受けます。なお、特例承継計画には、認定経営革新等支援機関の所見を記載する必要があります。

 

認定経営革新等支援機関とは、税理士や商工会議所等一定レベル以上の知識を持った専門機関で認定を受けた機関のことになります。なお、笘原拓人税理士事務所は認定革新等支援機関のため特例承継計画の作成が可能です。

 

 

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特例承継計画の確認を受けることで、特例措置を利用できます。なお、特例承継計画の提出は令和5年3月31日までとなります。

 

2.贈与(相続)の開始

事業承継税制の適用を受けるためには、実際の贈与または相続をする必要があります。

 

先代経営者から後継者へ株式の贈与をします。株式数は、全株数か一定数以上となりますが、先代経営者の条件、後継者の条件がそれぞれにありますし、贈与か相続かによっても条件が違ってきます。

 

贈与の場合の後継者の主な要件
  • 贈与時において代表権を有していること
  • 20歳以上であること(令和4年4月1日以降の贈与については18歳以上)
  • 役員の就任から3年以上経過していること
  • 後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有していること
  • 後継者の有する議決権数が、次のイ)またはロ)に該当すること

 イ)後継者が1人の場合、後継者と特別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有すること となること

 ロ)後継者が2人または3人の場合、総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ後継者と特 別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有すること

 

贈与の場合の先代経営者の主な要件
  • 会社の代表権を有していたこと
  • 贈与の直前において、贈与者および贈与者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと
  • 贈与時において、会社の代表権を有していないこと

 

相続の場合の後継者の主な要件
  • 相続開始の日の翌日から5ヶ月を経過する日において会社の代表権を有していること
  • 相続開始のときにおいて、後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有していること
  • 相続開始のときにおいて、後継者の有する議決権数が、次のイ)またはロ)に該当すること

 イ)後継者が1人の場合、後継者と特別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有すること となること

 ロ)後継者が2人または3人の場合、総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ後継者と特 別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有すること

 

相続の場合の先代経営者の主な要件
  • 会社の代表権を有していたこと
  • 相続開始直前において、贈与者および贈与者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

 

3.都道府県知事の認定

贈与または相続があった後、申告期限までの間に都道府県知事の円滑化法の認定を受ける必要があります。

 

円滑化法の認定は、上記の要件を満たしていることで申請することができます。認定は、申告期限の2ヶ月前までとなり、贈与税の場合は、1月15日までに、相続税の場合は、相続開始の翌日から8ヶ月以内となります。

 

4.贈与税または相続税の申告書の作成および提出

贈与税または相続税の申告期限までに、事業承継税制を受ける旨記載した申告書と添付書類を作成し、税務署へ提出する必要があります。

 

また、その際には納税が猶予される分と利子税に見合う担保を提供する必要があります。担保は、事業承継税制の適用を受ける株式等のすべてを提供した場合、納税が猶予される税額および利子税に見合う担保の提供があったものとみなされています。

 

申告期限は、贈与税の場合、贈与を受けた年の翌年2月15日から3月15日まで、相続税の場合、相続開始があったことを知った日から10ヶ月以内となります。

 

5.納税猶予期間中の手続き

納税猶予期間中は、毎年、継続届出書を提出する必要があります。

 

継続届出書は、所轄の税務署に対して提出する必要があり、怠ると猶予されている税額の全額と利子税を支払う必要があります。継続届出書は、特例経営承継期間内(何もなければ5年間)は、毎年提出し、特例経営承継期間経過後は、3年ごとに提出します。

 

また、特例経営承継期間内は、都道府県知事にも毎年年次報告書の提出義務があります。

 

なお、特例経営承継期間内で、株式の譲渡があった場合など、確定事由に該当した場合は、納税の猶予は打ち切りになり、猶予されていた贈与税や相続税の全部または一部について利子税とあわせて納付する必要があります。

 

6.免除届出書・免除申請書の提出

猶予されていた納税について納付が免除される事由が生じた場合、免除届出書および免除申請書を提出することで、猶予されていた納税分の全部または一部が免除されます。

 

贈与税の場合の納付が免除される主な場合
  • 先代経営者が死亡した場合
  • 後継者が死亡した場合
  • 特例経営贈与承継期間内においてやむを得ない理由により会社の代表権を有しなくなった日以降に免除対象贈与を行った場合
  • 特例経営贈与承継期間の経過後に免除対象贈与を行った場合
  • 特例経営贈与承継期間の経過後において会社について破産手続開始決定等があった場合
  • 特例経営贈与承継期間の経過後に、事業の継続が困難な一定の事由が生じた場合において、会社について、譲渡および解散した場合

 

相続税の場合の納付が免除される主な場合
  • 後継者が死亡した場合
  • 特例経営贈与承継期間内においてやむを得ない理由により会社の代表権を有しなくなった日以降に免除対象贈与を行った場合
  • 特例経営贈与承継期間の経過後に免除対象贈与を行った場合
  • 特例経営贈与承継期間の経過後において会社について破産手続開始決定等があった場合
  • 特例経営贈与承継期間の経過後に、事業の継続が困難な一定の事由が生じた場合において、会社について、譲渡および解散した場合
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