相続税申告期限とは?期限や間に合わなかった場合の対応法

 

 

相続税には申告期限があるのを御存じでしょうか?

一般的に相続税の申告期限は被相続人の死亡の日の翌日から10ヶ月となっています。

短い期限ではない様に見えますが、さまざまな処理が必要なため予定より時間を取られ、申告期限が過ぎてしまう方も見受けられます。

相続税申告期限内に自分で手続きをすることができるのか?

また間に合わない場合のペナルティや救済措置などをわかりやすくご紹介いたします。

 

相続税申告期限と開始日

 

相続税の申告期限の開始日は、一般的なケースで被相続人の死亡の日の翌日からと定められています。

例えば1月10日にお身内の方がお亡くなりになった場合は、そこから10ヶ月として11月10日が申告の期限になります。
10ヶ月という申告期限は、つまり支払い期限(納付期限)にもなります。

10ヶ月=300日ではありませんので注意しましょう。

 

ただし、相続税申告書を提出する税務署の窓口が受付可能な日が申告期限の日、納期限の日になりますので、もし該当する申告期限の日が土日、祝日でしたら次の平日が期限になります。

 

▼詳しくは国税庁ホームページをご覧ください>>相続税の申告と納税

 

 

よくある相続税の申告期限に間に合わない理由

 

 

 

実際に手続きをしてみると、次のような内容が課題になり相続税申告書や添付書類を申告期限内に提出するのが難しくなってきます。

 

1.提出書類の収集

2.財産目録の完成

3.遺産分割協議書がまとめられない

 

1.提出書類の収集

まず亡くなった方(被相続人)の戸籍に関しての書類ですが、除籍謄本、改正原戸籍謄本(出生してから亡くなるまでの連続謄本)、住民票の除票(本籍記載で死亡時に作成)、を用意します。

同じく、相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明(遺言書がない場合)が必要になります。

そして遺言書がない場合には遺産分割協議書を作成するのですが、それには相続人全員の記名捺印の必要があります。

この捺印には印鑑証明の印鑑を使用します。

改正原戸籍謄本を用意する際に留意が必要な点として、亡くなった方が生前に引っ越しをされている場合は、戸籍を移籍した全ての市町村で戸籍謄本を取らなければなりません。

謄本を取って初めて、被相続人が引っ越しをしていた、出生地が違った、など意外な事実が判明するケースは多く見受けられます。

書類を取りに行くのが近隣の市町村ならまだしも、遠方の場合には郵送で役所とやり取りする場合も多く、時間を要します。

 

相続人の戸籍や住民票、印鑑照明も、同じ様なケースで手元に用意するまでに時間がかかります。

この書類をご自身で用意していただくのが一番早いですが、相続人がご高齢の場合や老人ホームや施設などに入居されている場合は、他の方が委任状を用意して書類を取りに行かなくてはいけません。

さらに、しばらく連絡が取れない方や、海外で生活している方など相続人ご本人の書類を用意するのが大変困難なケースもあります。

このように、案件ごとにさまざまな必要書類が発生するため、用意する段階で時間を要し、申告期限に間に合わないことがあります。

 

また、相続税の特例を使う場合に追加で必要となる身分関係の書類が発生する場合もあります。

そのため、何よりも早めに資料収集をすることが肝要になります。

 

参考>>相続税申告する際の必要書類と添付書類を徹底解説

 

2.財産目録の作成

財産目録の作成は遺言書などがあり、仮にその遺言書に不動産や預貯金、有価証券など全ての遺産が遺言書に記載されていても、相続財産の価額を評価計算する作業があります。

遺言書がないケースでは、相続人が被相続人の財産の整理から始めなければなりません。

また、この財産の評価は財産評価基本通達に定められているので、評価方法を調査し評価額を計算しなければならず、時間を多く費やします。

 

3.遺産分割協議書がまとめられない

遺産分割協議をまとめられず相続税の申告期限に間に合わない事例も見受けられます。

遺産分割協議にあたり相続人が複数人いて、遺産分割協議内容に納得がいかず話が一向にまとまらないケースです。

相続税申告では遺産の分割の内容次第で特例の適用も変わり、相続税の納付額も変わります。

そのため、基本的には遺産分割協議も相続税の申告期限の前まで終わらせる必要があります。

終わらない場合は未分割で相続税の申告をしなければなりません。

 

参考>>相続税申告における未分割の取り扱い

 

なお、未分割の財産については使えない特例もございます。

未分割を避けるためにも遺言書の作成はとても大切になります。

 

参考>>相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

 

 

ペナルティを負うケース

相続税の申告期限を1日でも過ぎるとペナルティがあります。

 

1.附帯税等

1.延滞税 

延滞税は、納付の期限までに支払われるべき相続税を納付していない場合、また期限の後に修正などで納付した税額が不足していた場合に発生します。

 

2.無申告加算税

無申告加算税とは、正当な理由がなく申告期限内に申告しない場合に発生します。

課税額は「自主的に申告を行った場合は納付税額の5%」となり「税務署からの調査連絡や指摘などで申告を行った場合は納付税額の10%~20%」となっています。

 

未分割で申告することの不利益
1.特例を適用できない

相続税の申告にはいくつか特例があり、その特例を適用させることで納税額を減額させることが可能になります。

その適用要件の1つに遺産分割などでその財産を取得する相続人が確定していること、とされている特例がありますので注意しましょう。

代表的な特例は小規模宅地の特例や配偶者の税額軽減になります。

 

2.相続税は申告期限に現金一括納付が原則

未分割でも相続税は申告期限に現金一括納付が原則です。

未分割であるということは被相続人の預金は拘束されたままで、相続人は自由に使えないということでもあります。

相続人の手持ちの預金で多額の相続税を納税しなければならないということはとても大変なことです。

 

繰り返しになりますが、遺産分割協議書がまとまらず未分割で申告をするケースは多いです。

遺言書があれば未分割という事態は避けられますので、遺言書を用意することはとても大切です。

 

参考>>相続税専門の税理士に遺言書作成を依頼するべき理由とは?

 

申告期限の延長と未分割の救済措置

 

 

申告期限の延長

基本的に相続税の申告期限は延長する事はできませんが、例外的に可能な場合があります。

代表的なものは昨今の自然災害等が原因で延長が認められる場合です。

新型コロナウイルスについても、新型コロナウィルスによる申告・納付期限延長の個別延長の申請書を提出し所轄税務署長等が承認した場合は延長されます。

なお納付期限は申告期限に連動しますので、納付期限も自動的に延長されます。

 

未分割の救済措置

未分割で申告をして申告期限後3年以内の分割見込書も添付する。

遺産分割協議がまとまらない場合は未分割の財産を法定相続分で分割したと仮定して、相続税申告書を作成し、申告期限後3年以内の分割見込み書を作成して添付します。

なお、一部財産が判明しない場合には概算で申告をするケースもあります。

この申告期限後3年以内の分割見込書は、まだ遺産分割が決定していない未分割の財産についてあくまでも3年以内に分割の見込みがありますと明示してある書類です。

後日改めて遺産分割が完了した後に、特例の適用なども含めて還付・更生の請求、もしくは追加納付・修正申告などの手続きを行い、納税額の調整をします。

 

まとめ

相続税の申告期限は10ヶ月と長く、余裕がありそうに思えます。

しかし、なんらかの特別な理由や正規の手続きがなく相続税の申告期限に間に合わなかった場合は罰金などのペナルティが課せられる事があります。

また、未分割で申告する場合は未分割の申告することの不利益があります。

税務署の窓口で聞くこともできますが相談の予約を取っても、相談窓口の時間が限られているので十分な相談ができずに終わる場合も少なくありません。

ご不安な方は、相続税申告期限や相続についてのプロである税理士に1度相談してみる事をおすすめします。

今まで暗礁に乗り上げていた事でも解決の糸口が見えることも少なくありません。

 

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