【はじめての方へ】相続手続きは何から始める?やることリストと流れをやさしく解説

 

はじめに

身近な方が亡くなられると、悲しみに暮れる間もなく、さまざまな「相続手続き」が必要になります。

「何から手をつければいいのか、まったくわからない」
「役所?銀行?法務局って何?どこに、何を、いつまでに出すの?」
「仕事をしながらこなせるんだろうか…銀行も法務局も平日しかやっていないし…」

 

はじめて相続に直面された方が、こうした不安を抱えるのは当然のことです。
相続手続きには期限が決まっているものと、期限はないけれど早めにやっておきたいものがあり、知らずにいると思わぬトラブルにつながることもあります。
まずは全体像を眺めて、「なるほど、こういう順番で進めればいいのか」というイメージをつかんでいただければと思います。

 

相続って、そもそも何をすること?

「相続」と聞くと、「財産を受け取ること」というイメージが強いかもしれません。でも実は、それだけではないのです。
相続とは、亡くなった方(=被相続人/ひそうぞくにん)の財産や権利、そして借金などの義務まで、まるごと引き継ぐことを指します。
引き継ぐものは、大きく2つに分けられます。

そして、引継ぐには当然手続きが必要です。

 

プラスの財産(もらえるもの)

● 現金・預貯金
● 土地や建物などの不動産
● 株式
● 生命保険
● 自動車など

 

マイナスの財産(引き継ぐと損するもの)

● 借金、住宅ローンの残高
● 未払いの税金や公共料金
● 連帯保証人としての義務

 

ここで大切なのは、プラスとマイナスは基本的にセットで引き継がれるということ。「良いところだけもらって借金はいらない」という選り好みはできません。
もし調べてみて「借金のほうが多そう」という場合には、後ほどご説明する「相続放棄」という方法を検討することになります。

 

亡くなった直後にやること(〜7日)

まずは、相続の「入口」にあたる手続きからです。悲しみのさなかで大変な時期ですが、ここは期限が短いものが続きますので、ご親族と協力して進めてください。

 

① 死亡診断書を受け取る

病院で亡くなられた場合は、医師から「死亡診断書」を発行してもらいます。自宅で亡くなられた場合などは「死体検案書」という書類になります。
この書類はこの後の手続きで何度も使うため、コピーを5〜10枚取っておくことをおすすめします。原本は1枚しかもらえず、再発行には手間とお金がかかるためです。

 

② 死亡届の提出(7日以内)

死亡診断書と一緒になっている「死亡届」に必要事項を記入し、市区町村役場へ提出します。期限は、亡くなったことを知った日から7日以内です。
多くの場合、葬儀社がこの手続きを代行してくれるので、ご自身で役場に出向くケースは少ないかもしれません。ただし、「代わりに出してもらえる」というだけで、責任は遺族側にあることは覚えておきましょう。

 

③ 火葬許可証の受け取り

死亡届を提出すると、その場で「火葬許可証」が発行されます。これがないと火葬ができません。こちらも通常は葬儀社が対応してくれます。

 

相続手続きの全体の流れ【7つのステップ】

葬儀が一段落したら、いよいよ本格的な相続手続きがスタートします。全体の流れをまず頭に入れてしまいましょう。

 

  やること 期限の目安
STEP 1 遺言書があるか確認する なるべく早く
STEP 2 相続人が誰かを確定する 〜2か月目安
STEP 3 財産と借金を調べる 〜3か月
STEP 4 相続するかしないか(相続放棄)決める 3か月以内
STEP 5 遺産の分け方を話し合う 〜10か月目安
STEP 6 相続税の申告・納税(必要な人のみ) 10か月以内
STEP 7 不動産の名義変更(相続登記) 3年以内

橙色表記になっているものは、法律で決まっている期限です。
一般的には相続人の確定まではすぐにできると思います。

それでは、1つずつ見ていきましょう。

 

STEP 1:遺言書があるか確認する

最初にチェックするのは、「亡くなった方が遺言書を残していないか」です。遺言書があれば、基本的にはその内容どおりに遺産を分けることになるため、以降の流れが大きく変わります。

遺言書には、よく使われる3つの種類があります。

● 自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
本人が自分で手書きしたもの。自宅の金庫や仏壇の引き出し、貸金庫などで見つかることが多いです。2020年から法務局での保管制度もはじまりました。
● 公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)
公証役場という役所で、公証人が作ってくれる遺言書。謄本が自宅に保管されているケースが多いです。原本は公証役場に保管されています。最寄りの公証役場で検索してもらえます。
● 秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)
内容は秘密にしたまま、存在だけ公証役場に証明してもらう遺言書。使われることはまれです。

 

※自筆証書遺言を見つけても、勝手に開封してはいけません。
家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続き(内容を公式に確認する作業)を受ける必要があります。ただし、法務局に保管されていた自筆証書遺言と、公正証書遺言は、検認は不要です。

 

STEP 2:相続人が誰か?を確定する

次にやるのは、「誰が相続人なのか」をきちんと確定させる作業です。
「そんなの、家族のことだからわかってるよ」と思うかもしれません。でも相続の手続きでは、「戸籍謄本」という公的な書類で証明することが求められます。
しかも、必要なのは「亡くなった方の出生から死亡まで、途切れなくつながる戸籍」。お亡くなりになったときの先後の本籍地の役所で入手することができます。

 

戸籍を集め終えたら、法務局で「法定相続情報一覧図(ほうていそうぞくじょうほういちらんず)」を作っておくと後がラクです。
これは「亡くなった方の相続人はこの人たちですよ」ということを家系図のようにまとめた書類で、法務局が無料で発行してくれます。司法書士に作成の代行を依頼することもできます。
銀行や法務局での手続きのたびに分厚い戸籍の束を持ち歩かなくて済むので、ぜひ活用してください。

【出典】法務局 主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html

 

STEP 3:財産と借金を調べる

相続人が決まったら、次は「亡くなった方がどんな財産や借金を持っていたか」を調べていきます。これを「財産調査」と呼びます。

 

【調べ方の手がかり】
・郵便物(銀行・証券会社・税務署・ローン会社からの通知)
・通帳、キャッシュカード、クレジットカード
・権利証、登記識別情報通知(不動産の書類)
・固定資産税の納税通知書(毎年4〜5月頃に届くもの)
・保険証券
・スマートフォンのアプリ(ネット銀行、証券、暗号資産など)
・自動車


【どこに問い合わせる?】
本人(被相続人)ではないので、各機関とも他人には個人情報を開示できません。相続人であることを伝える必要がありますので戸籍謄本の束や前述の法定相続情報一覧図を持参する必要があります。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類も必要です。

・預貯金

各銀行に「残高証明書」を依頼します。
「残高証明書」は、金融機関の口座にどれほどの預貯金や株式が入っているのかを公的に証明してくれる書類です。銀行の窓口で依頼できます。通帳を持っていくと便利です。相続開始の日(お亡くなりになった日)で作成を依頼します。
農協や信用金庫ですと出資金の有無も確認する必要があります。
残高証明書を依頼する前に通帳はATMで記帳しておきましょう。なお、残高証明書の発行を依頼しますと、通帳の名義人がお亡くなりになったことが分かるのでその通帳はロックされます。

・不動産

市区町村役場で「名寄帳(なよせちょう)」を取得すると、その市区町村にある被相続人の不動産が一覧で出てくる公的な書類です。相続開始の日の年度で依頼します。

・株式・投資信託

証券会社に残高証明書を依頼します。
残高証明書には口座保有者名、基準日(指定日)、保有銘柄、株式数、投資信託の数量、預り金残高、および相続手続き等のために必要な場合は時価評価額が記載されます。相続開始の日(お亡くなりになった日)で作成を依頼します。

・生命保険

保険証券を手元において保険会社に電話をするのが一番確実です。

・自動車

陸運局が管轄していますが、被相続人の車の販売店や相続人のなじみのディーラーなどの車屋さんに確認するのが一番スムーズです。

 

財産の一覧と金額がわかったら、一覧表にまとめておきましょう。後の話し合いや申告手続きで必ず使います。

 

STEP 4:相続するかしないか決める(3か月以内)

財産調査の結果、「借金のほうが多そうだ」とわかったら、どうしますか?
ここでは詳しい解説は抄訳しますが相続放棄を検討する必要があります。
※相続放棄と限定承認の期限は、相続開始を知った日から3か月以内です。

 

この3か月間は思っているよりあっという間に過ぎます。借金があるかどうか判断に迷う場合は、早めに弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。

 

STEP 5:遺産の分け方を話し合う(遺産分割協議)

遺言書がない場合は、相続人全員で「誰が、何を、どれだけ引き継ぐか」を話し合います。これを「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)」といいます。法定相続分はここでは「目安」です。全員が合意すれば自由に決められます。
話し合いがまとまったら、その内容を書面にした「遺産分割協議書」を作成します。
相続人全員が実印で押印し、印鑑登録証明書を添付します。ここで遺産分割が確定します。あとは手続きだけです。
この書類は、このあとの銀行での手続きや不動産の名義変更で必須の書類となる、とても大事なものです。

 

STEP 6:相続税の申告・納税(必要な人のみ・10か月以内)

相続税は、誰もが払うわけではありません。亡くなった方の遺産が一定額(基礎控除額)を超えた場合にだけ、申告と納税が必要になります。
もし必要な場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に税務署で手続きをすることになります。詳しくは本コラムでは扱いませんが、「うちは相続税が必要そう」と感じた場合は、早めに相続税を専門にしている税理士へご相談ください。
書類集めや財産の評価には思った以上に時間がかかるため、期限ギリギリに相談されると対応が難しいケースもあります。

 

STEP 7:不動産の名義変更(相続登記)(3年以内)

亡くなった方の名義のままになっている土地や建物は、引き継いだ人の名義に変更する必要があります。これを「相続登記(そうぞくとうき)」といい、法務局で行います。司法書士に依頼することができます。

 

2024年4月から、相続登記は義務化されました。 不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。過去に起きた相続で放置されている土地・建物についても、2024年4月以降、3年以内の登記が求められます。


「しばらくそのままでいいや」という考え方は、もう通用しません。早めに済ませておきましょう。

 

相続手続きでよく使う書類リスト

相続のさまざまな場面で、共通して必要になる書類をまとめました。最初にまとめて取得しておくと、手続きのたびに役所に行く手間が省けます。

書類 主な用途 どこで取る?
死亡診断書(コピー) 各種手続き全般 病院
被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡) 相続人の確定、銀行・法務局の手続き 最後の本籍地の市区町村役場
被相続人の住民票の除票 最後の住所の証明 市区町村役場
相続人全員の戸籍謄本 相続人であることの証明 市区町村役場
相続人全員の住民票 住所の証明 市区町村役場
相続人全員の印鑑登録証明書 遺産分割協議書への押印、各種手続き 市区町村役場
遺産分割協議書 預貯金・不動産などの名義変更 自分で作成(司法書士が作成可能)
固定資産税の納税通知書 不動産の特定・評価 手元に届いたもの
名寄せ 不動産の特定・評価 市区町村役場
預貯金の残高証明書 預金額の確定 各金融機関
証券会社の残高証明書 株式等の確定 各証券会社
不動産の登記事項証明書 不動産登記 法務局

【書類集めのコツ】
印鑑登録証明書は3通ほどまとめて取得を。遺産分割協議書用、銀行用、不動産登記用と、複数の場面で必要になります。ただし発行日から3か月以内など有効期限があるので、使うタイミングを見ながら取得しましょう。
法定相続情報一覧図を作っておくと、戸籍の束の代わりになるので大幅に手間が減ります。

 

期限はないけれど、早めにやっておきたい手続き

仮に法律上の期限はなくても、放置しておくとトラブルや余計な出費につながる手続きがあります。こちらも忘れずに進めましょう。
なお、市町村によってはお悔やみ窓口を設けており、一通りの手続きを1ストップで説明、進めてくれる市町村もあります。

 

公共料金・各種サービスの解約または名義変更

電気・ガス・水道・インターネット・携帯電話・サブスクリプションサービス・新聞など。
使わないものは解約し、引き続き使うものは名義変更をします。放置すると料金が発生し続けてしまいます。

 

銀行口座・クレジットカードの解約

預貯金は遺産分割協議書が整った段階で、各金融機関で相続手続きを行い、相続人の口座へ払い戻します。
クレジットカードはカード会社に連絡して解約します。

 

自動車の名義変更

軽自動車は軽自動車検査協会、普通自動車は運輸支局で手続きします。
そのまま乗り続ける場合も、売却・廃車する場合も、いったん相続人へ名義変更が必要です。被相続人の車の販売店や相続人のなじみのディーラーなどの車屋さんに確認するのが一番スムーズです。

 

生命保険金の請求(3年以内)

保険会社に連絡して保険金を請求します。
保険金の請求権は3年で時効になってしまうため、早めに手続きをしましょう。必要書類は各保険会社によって異なります。保険証券を手元において保険会社に電話をするのが一番確実です。

 

年金の停止・未支給年金の受取

亡くなられた方が年金を受給していた場合、年金事務所で受給停止の届け出と、未支給分の請求手続きが必要です。

 

相続手続きを進めるうえでの3つのアドバイス

最後に、はじめて相続に臨む方へのアドバイスを3つお伝えします。

 

① とにかく「全体像」から

目の前の1つ1つの手続きだけを見ていると、迷子になります。
まずは「いつまでに何をするのか」のカレンダーをざっくり作ってしまいましょう。このコラムの最初の表を印刷するだけでも十分です。

 

② 書類は「多めに」取る

戸籍謄本や印鑑登録証明書は、手続きごとに提出先から原本を求められることがあります。
1通ずつだと足りなくなることが多いので、最初から複数通まとめて取得しておくとムダ足を省けます。

 

③ 迷ったらプロに相談を

相続手続きは、関わる役所も書類も多く、専門的な判断を必要とする場面が多々あります。

 

・相続人が多い、または行方不明の相続人がいる
・遺言書の内容でもめそう、またはすでにもめている
・借金がいくらあるかわからない
・不動産が複数ある
・相続税がかかりそう

 

このような場合は、弁護士・司法書士・税理士など、それぞれの専門家に早めに相談することをおすすめします。費用がかかるイメージがあるかもしれませんが、初回相談を無料で受けてくれる事務所も多く、早い段階で相談したほうが結果的にムダな時間と出費を減らせることがほとんどです。

 

まとめ

大切な方を亡くされた後の相続手続きは、「やることが多くて、何から手をつけていいかわからない」と感じるものです。でも、全体の流れをつかんでしまえば、1つずつ着実に進めていくことができます。

改めてポイントを整理しておきます。
● 相続はプラスもマイナスもまとめて引き継ぐ
● まずは 死亡届(7日以内) と葬儀関連の手続きから
● その後、遺言の有無の確認 → 相続人の確定 → 財産の調査 →遺言がなければ遺産分割協議書の署名押印
● 10か月以内(相続税)、3年以内(相続登記)という3つの大きな期限を意識する
● 書類は 最初にまとめて多めに取得するのがコツ
● 迷ったら早めに専門家へ相談を

 

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