クラシックカーの相続・売却に税金はかかる?3つの評価方法と節税のポイント
投稿日:2026.09.28

「実家の車庫に眠っていた父のジャガー…、相続税の対象になるのだろうか。」
「大切にしてきたポルシェを手放すとき、税金はいくら取られるのか。」
車好きの方、あるいは車好きだったご家族を持つ方であれば、こうした疑問にぶつかったことがあるでしょう。
クラシックカーやヴィンテージカーは、普通の中古車と違って「年式が古い=価値がない」とは限らず、むしろ希少性ゆえに購入時より高値で取引されることも珍しくありません。この「値上がりする資産」という特殊性が、相続税・所得税の両面で見落とされがちな落とし穴を生んでいます。
本コラムでは、クラシックカーの相続・売却に関わる税金の仕組みを、評価方法の具体的な種類から節税の考え方、確定申告の要否まで、実務に沿って詳しく解説します。
目次
クラシックカー(ヴィンテージカー)には「相続税」も「売却時の所得税」もかかるのか?
「相続時」「売却時」ともに税金の対象となる
結論から言いますと、クラシックカー(ヴィンテージカー)は、①相続する時点、②売却する時点の両方で税金の対象になり得ます。
①【相続時】
車は「一般動産」として相続財産に含まれ、他の財産(預貯金・不動産など)と合算した遺産総額が相続税の基礎控除額を超えると、相続税の課税対象になります。
②【売却時】
通勤用など日常生活に必要な一般的な自家用車の売却益は非課税ですが、趣味・鑑賞・コレクション目的で保有するクラシックカーは「生活に通常必要な資産」とは認められにくく、購入額より高く売れて利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税・住民税の課税対象になる可能性が高いというのが実務上の考え方です。
ただし、いずれの税金にも「基礎控除」「特別控除」といった仕組みがあるため、車を保有・売却したからといって必ず税金が発生するわけではありません。以下で、評価方法や控除の考え方を具体的に見ていきましょう。
「クラシックカーは"特別な資産"として扱われる場面が多いため、一般的な自家用車であれば非課税で済むケースが多い一方、希少価値の高いクラシックカーは、相続税・譲渡所得税のいずれにおいても「原則とは異なる扱い」を受ける可能性があるため、あらかじめ仕組みを理解しておくことが重要です。
【種類別】クラシックカー(ヴィンテージカー)の相続税評価方法と計算例
車は「一般動産」として評価される
相続税の計算では、亡くなった方(被相続人)が所有していたすべての財産を時価で評価し、合算する必要があります。自動車もこの例外ではなく、国税庁の財産評価基本通達129において「一般動産」として評価する旨が定められています。
この通達では、一般動産の価額は原則として「売買実例価額」または「精通者意見価格」を参酌して評価し、これらが明らかでない場合に限り、同種・同規格の新品小売価額から償却費・減価額を控除した金額で評価する、とされています。
実務上、評価方法は車の流通状況・希少性に応じて大きく次の3種類に分けられます。それぞれ具体的な計算例とともに見ていきましょう。
【出典】国税庁「財産評価基本通達 第6章 第1節 一般動産」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/06/01.htm
① 売買実例価額による評価(原則・流通性の高い車向け)
【対象となるケース】
国産の人気旧車や、ある程度流通量がある輸入車など、中古車市場で類似車両の取引事例を調べやすい車が対象です。
【評価方法】
相続開始時点(お亡くなりになった日)で、その車を実際に売却したと仮定した場合の買取価格を、中古車買取業者の公表相場やインターネットの査定サイトなどをもとに算定します。
【計算例】
1990年式・国産スポーツクーペ(走行距離6万km・修復歴なし)を相続したケース
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参照した取引事例 | 同年式・同型式・同走行距離帯の直近の買取実例(複数社・複数の成約事例) |
| 買取相場のレンジ | 480万円~520万円 |
| 採用する評価額 | レンジの中央値である500万円を相続税評価額として採用 |
このように、複数の実例価格を集め、その中央値や平均値を根拠にして評価額を確定させるのが一般的な進め方です。1件だけの査定額で決め打ちすると、税務調査で「他に高い実例があるのでは」と指摘されるリスクがあるため、可能な限り複数の実例を集めておくことが望ましいといえます。
② 精通者意見価格による評価(希少車・流通の少ない車向け)
【対象となるケース】
流通台数がごく少ないクラシックカー、限定生産車、フルレストア済みのヴィンテージカーなど、①の売買実例価額を調べること自体が難しい車が対象です。「精通者」とは、クラシックカーの専門店、ヴィンテージカー専門のディーラー、専門の鑑定士などを指します。
【評価方法】
複数の専門業者・鑑定士に「相続開始時点で売却したらいくらになるか」を査定してもらい、その意見価格を評価額として採用します。
【計算例】
1960年代式・欧州製クラシッククーペ(フルレストア済み・国内流通が極めて少ない)を相続したケース
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| A社(クラシックカー専門店)の査定額 | 850万円 |
| B社(輸入車専門オークション会社)の査定額 | 780万円 |
| 採用する評価額 | 保守的な立場から、2社のうち低い方の780万円を採用(または平均額の815万円を採用するケースもある) |
【ポイント】
・査定は最低でも2社以上に依頼し、査定根拠(年式・車体番号・オリジナル度・レストア履歴・国内外の直近取引相場など)を書面で残しておくことが重要です。
・査定額に大きな差が出た場合は、より詳細な根拠を示せる業者の査定を優先するか、平均値を用いるなど、合理的な判断基準をあらかじめ決めておくと、税務調査の際にも説明しやすくなります。
・「古い車だから価値は低いはず」という思い込みで実勢より低い金額を採用すると、後日の税務調査で申告漏れを指摘され、追徴課税(過少申告加算税・延滞税など)につながるおそれがあります。
クラシックカー・ヴィンテージカーの多くは、この精通者意見価格が実務上のメインルートになります。
③ 減価償却による評価(例外的な方法)
【対象となるケース】
①②のいずれの方法によっても評価額を算定できない場合に限り、例外的に用いられる方法です。
【評価方法】
財産評価基本通達130では、同種・同規格の新品の課税時期における小売価額から、耐用年数に応じた償却費相当額(または減価額)を控除して評価額を求めるとされています。償却計算には、法人税・所得税の減価償却で用いる定率法の考え方に準じ、自動車の法定耐用年数(普通自動車6年・軽自動車4年)をもとにした償却率を用いるのが一般的です。
【計算例】
新車価格450万円の普通乗用車を、被相続人が4年前に新車で購入し、そのまま所有していたケース(類似の売買実例・精通者意見価格のいずれも把握できなかった場合)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 新車小売価額(課税時期時点) | 450万円 |
| 耐用年数 | 6年 |
| 定率法の償却率(耐用年数6年) | 0.333 |
| 1年目の償却費 | 450万円 × 0.333 = 約149.9万円 → 未償却残高 300.2万円 |
| 2年目の償却費 | 300.2万円 × 0.333 = 約100.0万円 → 未償却残高 200.2万円 |
| 3年目の償却費 | 200.2万円 × 0.333 = 約66.7万円 → 未償却残高 133.5万円 |
| 4年目の償却費 | 133.5万円 × 0.333 = 約44.5万円 → 未償却残高 約89.1万円 |
| 相続税評価額 | 約89.1万円 |
※注意点:クラシックカーは年式を経るごとに一般の車のように価値が「減る」のではなく、希少性によってむしろ価値が「上がる」ことが少なくありません。
そのため、この減価償却による評価方法は、クラシックカーの実態には本来そぐわない場合が多く、①②の方法で評価額を算定できないという極めて限定的なケースでのみ用いられる、あくまで例外的な手法である点を押さえておく必要があります。
※定率法の償却率(0.333)は、平成19年4月1日以後取得の資産に適用される「200%定率法」の耐用年数6年に対応する償却率です。取得時期によって適用される償却率表(旧定率法/250%定率法/200%定率法)が異なる点は、実際に個別のケースで使う際には、念のため確認されることをおすすめします。
評価額5万円超は1台ずつ個別に申告が必要
一般動産のうち、評価額が5万円を超えるものは、家財一式としてまとめず1点ずつ個別に相続税申告書へ記載する必要があります。
普通の中古車であれば数万円程度で家財と一括評価されるケースもありますが、クラシックカーは多くの場合5万円を大きく超える評価額になるため、独立した財産として個別に評価・記載する必要がある点に注意してください。
ローン残債・所有権留保がある場合の取り扱い
車検証の「所有者」欄がディーラーや信販会社になっている場合、ローン完済までは所有権が留保されている状態です。この場合、相続財産としての車の評価額をプラスの財産として計上する一方、残っているローン残債はマイナスの財産(債務控除)として遺産総額から差し引くことができます。
プラス・マイナス両方を正しく計上しないと、相続税額の計算を誤ってしまうため注意が必要です。
そもそも相続税がかかるかどうかは「基礎控除」で判断
車単体の評価額がいくら高くても、遺産総額(預貯金・不動産・有価証券・車などすべての財産の合計から債務を差し引いた額)が相続税の基礎控除額を下回れば、相続税自体が発生しません。基礎控除額の計算式は次のとおりです。
◾️基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例えば法定相続人が2人であれば、基礎控除額は4,200万円です。クラシックカー1台の評価額が数百万円であっても、遺産総額全体がこの基礎控除額を超えなければ、相続税の納税は発生しません。
ただし、超えるかどうかの判定には車の評価額も含める必要があるため、「評価だけはしたが申告書には記載しなかった」という対応は避けるべきです。
相続税の申告・納付期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内と定められています。評価に時間がかかりやすい希少車ほど、早めに査定・専門家への相談に着手することをおすすめします。
クラシックカー(ヴィンテージカー)の相続、節税のポイント

売却時にかかる「譲渡所得税」の考え方
相続した、あるいはもともと所有していたクラシックカーを売却して利益が出た場合、その利益は「譲渡所得」として所得税・住民税の課税対象になり得ます。ポイントは、その車が「生活に通常必要な動産」に該当するかどうかです。
所得税法第9条第1項第9号では、自己または家族の生活の用に供する家具・什器・衣服その他の資産の譲渡による所得は非課税とされています。通勤や日常の買い物に使う一般的な自家用車は、原則としてこの非課税規定の対象です。
一方で、所得税法施行令第178条では、主として趣味・娯楽・保養・鑑賞の目的で所有する資産を「生活に通常必要でない資産」として位置づけています。コレクション目的で保管しているクラシックカーや、週末しか乗らないスポーツカー、複数台所有しているうちの趣味用の1台などは、この「生活に通常必要でない資産」に該当する可能性が高く、売却益が課税対象になるというのが実務上の整理です。
車種や価格だけで機械的に決まるものではなく、実際の使用実態(使用頻度、代替交通手段の有無、保有台数など)を踏まえて総合的に判断される点も押さえておきましょう。
【出典】法令検索:所得税法第9条第1項第9号(e-Gov法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
【出典】法令検索:所得税法施行令第178条(e-Gov法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096
譲渡所得の計算方法と特別控除
◾️譲渡所得の金額 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額(最高50万円)
【取得費】
購入代金や購入時の付随費用。相続で取得した車の場合、被相続人が取得した際の取得費をそのまま引き継ぐのが原則です(取得費の引継ぎ)。
【譲渡費用】
売却のための査定費用や手数料など。
【特別控除額】
総合課税の譲渡所得には、年間50万円の特別控除が設けられています。
さらに、所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」に該当する場合は、特別控除後の金額をさらに2分の1にした額が課税対象となります。長年保有してきたクラシックカーほど、この長期譲渡所得の軽減措置が適用されやすいという特徴があります。
なお、相続によって取得した車の所有期間は、被相続人が取得した時点から通算して判定するのが原則です。
※具体例:取得費(引継ぎ額)300万円のクラシックカーを、レストア後に600万円で売却し、所有期間が5年を超えていた場合 600万円 −(300万円+譲渡費用)− 50万円 = 課税対象前の譲渡所得 この金額をさらに2分の1にした額が、実際に課税される譲渡所得となります。
利益が50万円以下であれば、特別控除の範囲内で課税所得はゼロとなり、原則として確定申告も不要です。逆に、フルレストアや希少性の高さによって購入額を大きく上回る価格で売却できた場合は、課税対象額が大きくなりやすいため注意が必要です。
確定申告が必要となるケース
売却益が特別控除50万円を超えて譲渡所得が発生した場合は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に、給与所得など他の所得と合わせて申告する必要があります(総合課税)。
申告を怠ると、後日の税務調査で無申告加算税・延滞税などが課される可能性があるため注意しましょう。
【出典】国税庁 No.3152「譲渡所得の計算のしかた(総合課税)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3152.htm
実際の裁決・判例に学ぶ|押さえておきたい2つの事例

税務上の判断基準は、条文の文言だけを読んでもイメージがつかみにくいものです。ここでは、実際に争われた2つの事例を紹介します。いずれも「自分は大丈夫」と思い込みがちな落とし穴を示す、実務上重要な事例です。
事例①:サラリーマン・マイカー訴訟(生活に通常必要な動産か否か)
【概要】
給与所得者(サラリーマン)が保有していた自家用車を売却し、譲渡損失が発生したため、その損失を給与所得と損益通算(相殺)できるかどうかが争われた事例です(神戸地裁昭和61年9月24日判決、大阪高裁昭和63年9月27日判決、最高裁平成2年3月23日判決)。
【争点】
その車が「生活に通常必要な動産」(非課税・損益通算不可)に当たるのか、「生活に通常必要でない資産」(課税対象・損益通算不可)に当たるのかが争われました。
【判断の分かれ方】
| 審級 | 判断 |
|---|---|
| 第一審(神戸地裁) | レジャーよりも通勤・業務での使用割合が多いとして「生活に通常必要な動産」に該当すると判断 |
| 控訴審(大阪高裁)・上告審(最高裁) | 業務使用分は本来会社が負担すべきもの、通勤も定期代が支給されていることなどから、実質的にはレジャー使用と評価し「生活に通常必要でない資産」に該当すると判断 |
【結論】
納税者はいずれの審級でも敗訴しました。興味深いのは、どちらの分類に該当したとしても、結論として損益通算は認められなかった点です。「生活に通常必要な動産」であれば譲渡損失はそもそも「なかったもの」とみなされ(所得税法9条2項)、「生活に通常必要でない資産」であれば譲渡所得内でしか損益は通算できず、給与所得とは通算できません(所得税法69条2項)。
【この事例から学べること】
車の用途(通勤・業務・レジャー)は、単に「使っている」という事実だけでなく、実質的な使用実態(誰が費用を負担しているか、代替手段の有無など)まで踏み込んで判断される、ということです。クラシックカーであれば、なおさら「趣味・鑑賞目的」と評価されやすく、税務上は「生活に通常必要でない資産」に区分されるのが通常のケースだと考えておく必要があります。
【出典】国税庁税務大学校「税大ジャーナル」10号(生活用資産を巡る裁判例の学術的整理、PDF)
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/backnumber/journal/10/pdf/10_07.pdf
事例②:フェラーリF50は「減価する資産」か(取得費の計算方法が争点)
【概要】
複数台のフェラーリ(F50・512TRなど)を所有していた納税者が、これらを売却したところ、税務署から譲渡所得の更正処分を受けた事例です(国税不服審判所 令和2年3月10日公開裁決、東京地裁令和5年3月9日判決、東京高裁令和5年11月30日判決)。
【争点】
市場価格が経年で下落せず、むしろ希少性によって値上がりしていたフェラーリについて、取得費の計算上、所得税法38条2項が定める「使用又は期間の経過により減価する資産」として、保有期間に応じた減価償却相当額を取得費から控除すべきかどうかが争われました。
納税者側は「フェラーリF50は美術品や骨とう品に類似する希少な資産であり、減価償却資産には当たらない」と主張しました。
【判断のポイント】
裁判所・国税不服審判所は、この主張を退けました。判断の際に比較対象として挙げられたのが、ヴァイオリンの名器ストラディヴァリウスです。
ストラディヴァリウスは200年以上の長期間にわたり、演奏者の個性を重ねながら価値が確立してきた稀有な存在であるのに対し、フェラーリF50は市場での希少性によって価格が上昇しているに過ぎず、骨とう品と同視できるほどの長期間・実績を経ているとはいえない、と判断されました。
【結論】
フェラーリは「減価する資産」に該当するとされ、取得費から減価償却相当額を控除して譲渡所得を計算することになりました。この結果、課税対象額は納税者の想定より大幅に大きくなりました。
【具体的なインパクト(記事内での計算例)】
1億円で購入したフェラーリを2億円で売却した場合を例にすると、次のように課税対象額が大きく変わります。
| 計算方法 | 取得費 | 課税対象額の目安 |
|---|---|---|
| 減価償却を行う場合(今回の判断) | 1,000万円程度(1億円-減価償却相当額) | 約1億9,000万円 |
| 減価償却を行わない場合(納税者の主張) | 1億円(購入代金そのまま) | 約1億円 |
【この事例から学べること】
「値上がりしている車だから、売却時は購入額との差額(実際の値上がり分)だけが課税対象になるはず」という直感は、税務上は必ずしも正しくありません。市場価格が上昇していても、税法上は保有期間に応じた減価償却相当額が取得費から機械的に控除されるのが原則であり、これを覆すには「時の経過によって価値が減少しないことが明らか」な資産(古美術品・骨とう品など、所得税基本通達2-14が例示するもの)に該当する必要があります。
フェラーリのような希少車であっても、この例外に当てはまるとは限らないという点は、クラシックカー・ヴィンテージカーの売却を検討する際に必ず押さえておきたいポイントです。
【出典】判例タイムズ1528号(東京地裁判決分)
節税・トラブル防止のための実務ポイント
● 査定は複数社から取得し、根拠資料を保存する
相続時の評価額算定・売却時の取得費や譲渡価額の証明のいずれにおいても、複数の専門業者による査定書は重要な証拠になります。
● 購入時の契約書・領収書を保管しておく
取得費を正確に計算するために不可欠な資料です。相続財産として引き継ぐ場合、被相続人の購入時資料が見つからないと取得費の立証が難しくなり、結果的に譲渡所得が大きく計算されてしまうことがあります。
● 評価額を意図的に低く申告しない
クラシックカーは希少性が価格に直結するため、「古いから価値がない」という思い込みで過小評価すると、税務調査で修正申告や加算税のリスクにつながります。
● 相続税の納税資金として物納を検討する余地もある
希少なクラシックカーは、一定の要件を満たせば相続税の物納(金銭以外の財産で納税する制度)の対象となる場合があります。物納が認められれば譲渡所得税がかからないというメリットがある一方、要件や手続きが煩雑なため、検討する場合は専門家への相談が不可欠です。
● 遺産分割協議を早めに進める
車は相続人全員の共有財産となるため、名義変更や売却には遺産分割協議書などの書類が必要です。評価・査定と並行して、相続人間の話し合いも早めに進めておくとスムーズです。
まとめ:クラシックカーの税務は専門家への相談が近道
クラシックカー・ヴィンテージカーは、一般的な自動車とは異なり「評価が難しい」「値上がりする可能性がある」という特殊性を持つ資産です。そのため、
● 相続時には、売買実例価額や精通者意見価格を用いた適正な評価
● 売却時には、生活用動産に該当するかどうかの判断と、特別控除・長期譲渡所得の軽減措置を踏まえた税額計算
のいずれにおいても、一般的な家財とは異なる専門的な判断が求められます。
評価や申告を誤ると、追徴課税や過大な納税につながりかねない一方、正しい知識をもって対応すれば、特別控除や長期譲渡所得の軽減措置を活用し、納税額を適正な範囲に抑えられる可能性もあります。
「所有しているクラシックカーの評価額の目安を知りたい」「相続税の申告書にどう記載すればよいか分からない」「売却を考えているが、税金がいくらかかるのか事前にシミュレーションしたい」
——こうしたお悩みをお持ちの方は、自己判断で進める前に、相続税や譲渡所得税の実務に詳しい税理士へご相談ください。
※本記事は一般的な税務上の考え方を紹介するものであり、個別の税額計算・申告内容を保証するものではありません。実際の申告にあたっては、相続税・譲渡所得税の実務に詳しい税理士へご相談ください。
当事務所では、初回のご相談は無料で承っております。「うちの場合は申告が必要なのか?」「どんな書類を集めればいいのか?」といった初期のご相談から、申告書の作成・提出、税務調査の対応まで、ワンストップでサポートいたします。
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